名古屋大学 高等教育研究センター

■ 取組の概要

質保証の中核人財育成

取組の背景

 今日の質保証においては、内部質保証システムの構築がその中心的取組であり、教育プログラムの一貫性とエビデンスベースの評価、IR機能等の検証システムの構築が特に重要です。特に、これらの推進を担う教職員は、内部質保証システムにおいて重要な役割を果たすことが期待されています。

 各大学で内部質保証システムの機能を果たす部門の設置などが進む一方、そうした教職員に対するその能力開発の機会や教職員同士の連携体制の構築は、十分とはいえません。大学教職員のキャリアが多様化する中、質保証の中核を担う教職員の多様な研修ニーズに応える教材と研修機会の提供は喫緊の課題であり、本拠点はこの課題解決に資することを目指します。

重点的に取り組む課題

 SDに関しては、職員としての基礎的・共通的なSD、キャリア段階別のSD、専門的職員の分野別SDのいずれにおいても、十分に提供されていないことが、文部科学省の調査でも指摘されています。これをふまえて、IRに基づく教学マネジメントに関するSD,やマネジメント能力向上SDに重点をおいた研修の開発と提供を進めます。また,同調査ではアクティブラーニングを推進するFDワークショップも不十分であると指摘されています。アクティブラーニングを単に活動型の授業とはとらえず、問いのつくり方、授業における発問活用、試験や課題における良問の作成などに重点をおいた研修の開発と提供を進めます。


分野別の取組計画

 本拠点では、プログラム開発研究会を通じて、変化する個別ニーズに対応する研修と教材の開発を進める点が特徴です。さまざまな専門分野の教職員の協力を得て、各大学のニーズに適合し、より効果的な教職員の能力開発の実現をめざします。

 研修プログラムの開発や提供にあたっては、名古屋大学内での協働体制の下、高等教育研究センターを中心に、教育基盤連携本部、高等教育研究センター、学術研究・産学官連携推進本部、国際機構、学生相談総合センター、男女共同参画センターが連携して取り組みます。また、東海地域を中心に、学外の教職員の協力と参画を得ながら進めます。こうした連携体制により、下のような分野でプログラムの提供を進める見込みです。

FD
教員として必須の基礎的・共通的なことに関する内容 ・研究倫理
・アクティブラーニング
・英語による授業
学問分野別に関する内容 ・研究倫理講座
・哲学教育
・物理学教育
大学院生へのプレFDに関する内容 ・大学教員準備講座(大学院生向け)
・大学教員準備講座(実務家教員向け)
FD担当者に必要な内容 ・FD委員長、FD委員支援
SD
職員として必須の基礎的・共通的なことに関する内容 ・教務職員支援
キャリア段階別に必要な内容 ・管理職向けマネジメント研修
専門的職員の分野別に関する内容 ・IR分野
・アドミッション分野
・学生支援分野
・留学生支援分野
・研究支援分野
・ダイバシティマネジメント分野