第36回客員教授セミナー
すぐれた大学院教育を目指して
:複合的な方法と学際的研究
ジェラルド・フライ氏
米・ミネソタ大学
2007年 2月19日(月)午後4時〜6時
名古屋大学東山キャンパス 文系総合館7階 オープンホール
講演要旨
優れた大学院教育とは何か
大学院は危機にある、と言われる。社会のニーズに合っていないという批判もあるし、米国76大学のデータからは、授業料高騰や、学位取得までの年数の増加などが読み取れる。 しかし、危機は同時に変革の「機」ともなりうるものである。その変革のために、これからの時代の優れた大学院教育とは何かを考察することは重要である。 ここで優れた大学院教育を測るための要素を、リーダーシップ、教員、学生、インフラ、の4つと定義しよう。この4つが互いにバネで連結された正四面体を考えるとよい。大事なことは、この4つの要素のバランスである。 では、それらは今後、どうなるべきなのか。教育学者や有名大学の過去および現在の学長の言葉や、日本の大学における参与観察、インタビューなどをもとに、分析を行った。その結果、これからの優れた大学院教育の要素として重要な点は以下の5つと考えられる。
- 研究方法論の修得
- 多様なキャリアパス
- 融合的視点
- 指導教員と学生との強い絆
- 国際化
こうした多様性や融合性が大学院教育に求められるなかで、教員には水鳥のごとき能力(歩くことも泳ぐことも飛ぶこともできる水鳥のように、多彩な教育ができる)が求められていると言えよう。 最後に、優れた研究のある大学には、必ずや学生が集まってくる。名古屋大学が今のような高い研究水準にある限り、英語圏でない、英語の授業が少ないというハンディを超えて、優れた学生を世界各地から獲得できるであろう。
開催案内
第36回客員教授セミナー
すぐれた大学院教育を目指して:複合的な方法と学際的研究
ジェラルド・フライ氏
(米・ミネソタ大学)
日時:2007年 2月19日 (月) 午後4時〜6時
場所:名古屋大学東山キャンパス 文系総合館7階 オープンホール
講演概要
One of the complex challenges facing those involved with graduate education is defining and identifying excellence. The methodology for the study is mixed methods, including a meta-synthesis of related literature, factor analyses of key empirical data from 76 U.S. universities, 40 years of participant-observation, and interviews/observationshere in Japan. Based on the empirical results from the triangulated data, a normative blueprint for excellence in graduate education is developed for discussion and debate.
言語:英語(通訳はありません)
お問い合わせ: 夏目 <natsume@cshe.nagoya-u.ac.jp> (tel:052-789-5693)
※セミナーに出席を希望される方は、セミナー当日までにseminar@cshe.nagoya-u.ac.jp宛へご連絡下さい。(準備等の都合のためであり、必須ではありません。)セミナーは研究者、教育関係者、教育機関の事務担当者、学生(大学院生・研究生・学部生)、社会人など多くの方の参加を歓迎しております。また、セミナー開催情報メールサービスも是非ご利用下さい。