第42回客員教授セミナー FDマップの開発とその活用方法 佐藤 浩章 氏 愛媛大学 2008年07月31日(木) 16時〜18時 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館 5階 509号室
講演要旨
各大学でFDが実施されているが、その内容は、FDの概念に関する講演会から、授業技法に関するコンサルテーションまで多岐に渡っている。本研究の目的は、全国の大学で実施されている様々なFDプログラムを分類・段階づけし、体系化することである。具体的には、FDマップを開発した。全国の11大学で取り組まれているFDプログラムを、その対象からミクロ(授業、対象:教員)・ミドル(カリキュラム、対象:学部長、教務委員)・マクロ(組織、対象:管理職)の三段階に分類し、フェイズ別(I:導入、II:基礎、III:応用、IV:指導)に段階づけした。各セルに、目標、方法、評価方法が書かれている。これにより、当該組織がFDを通して、何を目標としているのか、各目標達成のために相応しい方法は何かをチェックすることが可能になる。
その活用方法は、様々である。FD担当者が、自らの組織のFDの現状を知り、開発・実施が進んでいるところ、遅れていることを知ることができる。また他大学で同じ位置にある大学と連携して、プログラムを共有することもできる。また教員のキャリア・マップとして使うこともできる。教員の一般的なキャリアモデルである、教員→学部長→全学管理職というモデルを提示することで、それぞれの段階で何が求められているのかを、本人も所属長も確認することができる。さらにFD担当者が自らの強みと弱みを知るツールにもなる。
当日の議論では、「FDマップは能力開発にも使うことができるが人事評価にも使われる可能性があるのではないか」、「縦軸にミクロ・ミドル・マクロを設定し、横軸にPDCAサイクルを設定することで、自己点検評価にもなり、動態的に使うことができるのではないか」「FDの方法として提案されているものが貧弱である。大学教員の場合は、教科書執筆やeラーニング教材作成そのものがFDになることがある。」といった意見が出され、参加者によるFDマップのブラッシュアップが行われた。
開催案内
第42回客員教授セミナー
- 講演題目
- FDマップの開発とその活用方法
- 佐藤 浩章 氏 (愛媛大学)
- 日時
- 2008年07月31日(木) 16時〜18時
- 場所
- 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館 5階 509号室
講演概要
各大学でFDが実施されているが、その内容は、講演会から授業技法に関するコンサルテーションまで多岐に渡っている。報告者らは、様々なFDプログラムを分類・段階づけたFDマップを開発した。横軸は「対象」であり、ミクロ・ミドル・マクロの三つのレベルに分類される。また縦軸は「フェイズ」であり、4段階に分類した。これにより、当該組織のFDの位置づけを知ることができ、不足しているプログラムや今後展開すべきプログラムをチェックすることが可能になる。その開発経緯と活用方法について検討したい。
- お問い合わせ
- 中井俊樹 <info@cshe.nagoya-u.ac.jp> (tel:052-789-5696)