名古屋大学 高等教育研究センター

第80回招聘セミナー 戦略経営の確立、
その推進を担う新たな職員の役割と育成
篠田 道夫 氏 日本福祉大学 常任理事 2009年6月29日(月)18:30〜 東山キャンパス 文系総合館 7階 オープンホール

■ 講演要旨

大学を取り巻く状況が大きく変化している。 少子化の影響もあって、私立大学では47%の大学が定員割れを起こしているという厳しい状況にある。 しかしながら大都市圏の有名大学は志願者を多く集める、いわゆる二極化が進んでいる。 経営困難な大学が増加する中、国の大学政策は、市場原理に基づく「競争」の段階から、 経営努力のない大学には市場からの退場を促す「淘汰」へと変化しつつある。

このような状況において、周辺の大学より「半歩先」を行く大学となるためには、 それぞれの進むべき目標を定め、常に改革を継続する戦略的な経営を行う必要がある。 そのためには、改革の旗印として中長期計画を策定し、 大学全体でその目標達成に向け努力するような組織への変革が重要である。 これまで大学のような組織には企業的な「選択と集中」による経営はなじまないとされてきたが、 大学の経営においても、有限である資源を有効活用するために、責務を明確にし、事業を遂行していく必要がある。 この点こそが戦略経営の真価が問われる点である。 また、目標となる数値を明確化することにより、客観的な評価が可能となる。

戦略経営を支える職員には、大学改革の主体となることが期待される。 特に改革を具体的に遂行する中間管理職には、チェンジリーダーとして戦略の実現について、 現場レベルの言葉で語ることできるようになることが求められる。 単なる事務処理を行う職員から、政策作りに関与し、 現場から大学を作り上げる一翼を担う職員への飛躍が求められる。 たとえば

戦略経営の中心となる職員を養成するために、 日本福祉大学では、事業企画書を用いた職員育成制度を構築している。 日本福祉大学において、戦略と業務を繋げる「事業企画書」を作成することは、 重要な業務の一つとして位置づけられている。この業務計画を遂行し、 業務を達成するこの機会を職員の能力形成の場と捉えている。

大学の改革は一度改革すれば終わりではない。 戦略経営による改革を持続的に行うことが、今後の大学を発展させる唯一の道であると考える。

■ 開催案内

第80回招聘セミナー

講演題目
戦略経営の確立、その推進を担う新たな職員の役割と育成
講演者
篠田 道夫 氏(日本福祉大学 常任理事)
日時
2009年6月29日(月)18:30〜
場所
東山キャンパス 文系総合館 7階 オープンホール

講演概要

少子化による「大学全入時代」を目前に控え、また市場価値を得られ ない大学の退場を促す政策への移行が進む中で、大学は淘汰の時代 を迎えている。この状況下で、大学の未来を切り拓き、競争力のある大学 を実現するためには、戦略経営が必要であり、その前提として中長期 計画の実質化が求められている。実質化を進めるには各階層でのチェン ジリーダーの存在が欠かせない。経営戦略を担う職員の役割や、彼らに 求められる専門性とはなにか、いかに専門性を形成すべきかについて 考える。

お問合せ先
夏目 達也
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-5696
ご参加いただける方は、事前に上記メールアドレスまでご一報いただけると助かります。会場準備の都合によるものですので、必須ではありません。
案内用ポスターPDFPDF

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