第105回招聘セミナー 「あらためて考えてみる大学で働くということ」 蜂屋 大八 氏 茨城大学大学教育センターキャリア教育部・准教授 2012年1月18日(水)18:30〜20:00 東山キャンパス 文系総合館7Fオープンホール
講演要旨
講師は、山形大学で事務職員として20年勤続した後、現在は茨城大学で教育職に就いている。事務職から教育職への転身というキャリアの事例は、まだそれほど多くない。この経歴をふまえつつ、大学事務職員とは、教員とは、そして「大学で働くということ」とは、というある種根源的な主題について、参加者とともに考えてみた。
時代の変化とともに、大学に求められる機能も変遷していく。同時に、大学で働く事務職員像も変容することは当然であるし、また変わらなければならない。
教員と事務職員では、形成する組織の型が異なる。同僚的組織といわれる教員と官僚的組織で成り立つ事務職員では、同じ大学で働いているにも関わらず、立脚点が一致していない。そのため、相互理解にたどり着くには多分に困難が伴う。それには、これまでの歴史も大きく作用しており、それぞれの性質に相違があるだけであり、どちらかが一方的に上位である、又は優れている、という意味ではない。それぞれに優位性を持っているということを認識し、その優位性を活かして、ともに働いていくことが重要である。協働していくためには、相互に信頼関係を築かなければならない。
大学教職員がともにめざすものは「チーム教育」であり、そのために「大学人」であることが重要である。大学事務職員のプロ、真の大学事務職員像を目指さなければならない。大学事務職員としての「誇り」と「気概」を持ち、教員の信頼を獲得することが必要である。山形大学の職員としての実践事例として、教育改革(GPの獲得、各種教育プロジェクトの推進等)の取組がある。この実績をふまえつつ、最も強調したいことは、「行動すること」である。知識ばかりを蓄え口先だけの人間になってはいけない。地に足をつけて、大学で働くことに向かい合わなければならない。
講演後の質疑応答では、事務職員という立場でなぜそれを為し得たのか、なぜ事務職員から教員に転身したのか、転身して何が変わったかなどの率直な質問が参加者から多数出された。質問に対する回答として、自身の経験を通して、教員と事務職員の間をつなぐ、中間職・専門職の設けることが必要になっていること、「誇り」と「気概」を持ち、事務職員、教員というカテゴリを越えて奮闘することが必要であること、が指摘された。
大学改革に対する思いと実績に基づく講師の熱いメッセージを受けて、活発に質疑応答が行われた。
開催案内
第105回招聘セミナー
- 講演題目
- 「あらためて考えてみる大学で働くということ」
- 講演者
- 蜂屋 大八 氏
- (茨城大学大学教育センターキャリア教育部・准教授)
- 日時
- 2012年1月18日(水)18:30〜20:00
- 場所
- 東山キャンパス 文系総合館総合館7Fオープンホール
講演概要
大学事務職員として毎日をあくせく働いている中、ここでちょこっと足をとめて、「大学で働くということ」について、みんなで考えてみませんか。
大学とは?事務職員とは?教員との違いは?我々の可能性は?学生との接し方は?そして、魅力ある大学創りのため、事務職員だからこそできることってなんだろう。このぼんやりとした問いに対する答えが、参加者の心の中にポッと灯る会にしたいと思っています。
- お問合せ先
- 豊田 哲
- info@cshe.nagoya-u.ac.jp
- Tel:052-789-5814
- ご参加いただける方は、事前に上記メールアドレスまでご一報いただけると助かります。会場準備の都合によるものですので、必須ではありません。