名古屋大学 高等教育研究センター

第130回招聘セミナー 学生が学習面で抱えている問題をどう克服させるか
-ボーダーフリー大学の現実をふまえて-
葛城 浩一 氏 香川大学大学教育開発センター・准教授 2014年10月24日(金)16:00~18:00 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館7F オープンホール

■ 開催案内

第130回招聘セミナー

講演題目
学生が学習面で抱えている問題をどう克服させるか
-ボーダーフリー大学の現実をふまえて-
講演者
葛城 浩一 氏
(香川大学大学教育開発センター・准教授)
日時
2014年10月24日(金)16:00~18:00
場所
名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館7F オープンホール

講演概要

基礎学力や学習習慣、学習への動機づけの欠如といった、学習面での問題を抱えている学生に頭を悩ませている大学は少なくありません。なかでもそれが深刻なのが、「ボーダーフリー大学」(受験すれば必ず合格するような大学、すなわち、事実上の全入状態にある大学)と呼ばれる大学です。講師がこれまでに行ってきたボーダーフリー大学に所属する学生や教員に対する各種調査の結果をもとに、そうした問題を克服させる上で考えておきたいポイント等についてお話しします。

■ 講演要旨

基礎学力や学習習慣、学習への動機づけの欠如といった、学習面での問題を抱えている学生に頭を悩ませている大学は少なくない。なかでもそれが深刻なのが、「ボーダーフリー大学」(受験すれば必ず合格するような大学、すなわち、事実上の全入状態にある大学)と呼ばれる大学である。セミナーでは、講演者がこれまでに行ってきたボーダーフリー大学に所属する学生(以下、ボーダーフリー大学生と表記)や教員に対する各種調査の結果をもとに、そうした問題を克服させる上で考えておきたいポイント等についての話がなされた。

まず留意しておきたいのは、ボーダーフリー大学には、真面目な態度で授業を受けようとしてもそれができない学生が少なくなく、彼らの学びの意欲は「悪質ではない」行動であったとしても、それを許してしまう授業の雰囲気によって容易に崩れ去ってしまうという点である。そのため、彼らの学びの意欲をいかに維持するかは、彼ら自身が「悪質ではない」と考える行動すら許さない授業の雰囲気づくりにかかっているといっても過言ではない。

こうした授業の雰囲気づくりを前提としてどのような取り組みがなされれば、学習面での問題を抱えているボーダーフリー大学生でも学習するようになるのか。ボーダーフリー大学生の学習時間を規定する要因に関する先行研究の知見から、そのためのヒントを導き出すならば、以下の三点が挙げられる。第一に、学習習慣や学習レディネスをしっかりと身につけさせるべく意識的に取り組むこと、第二に、「相互作用型授業」(例えば、適切なコメントが付されて課題等の提出物が返却される授業やグループワーク等、学生が参加する授業)を積極的に取り入れること、第三に、授業の意味を学生に十分認識させること、である。

なお、それらに取り組んでいく上では、「大学とは何か」、「大学で教えられるべき固有の知識・技能とは何か」といった根源的な問いがつきまとう。こうした根源的な問いを乗り越えるために、ボーダーフリー大学を「ノンエリートのための大学」として、明確に種別化・機能分化した方がよいという問題提起もなされ始めている。

お問合せ先
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-5696
ご参加いただける方は、事前に上記メールアドレスまでご一報いただけると助かります。 会場準備の都合によるものですので、必須ではありません。
案内用ポスターPDFPDF

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