第82回客員教授セミナー 高大接続の視点からみた中国の大学入学者選抜 張 徳偉 氏 東北師範大学・教授 2016年9月23日(金)16:00~18:00 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ
開催案内
第82回客員教授セミナー
- 講演題目
- 高大接続の視点からみた中国の大学入学者選抜
- 講演者
- 張 徳偉 氏
- (東北師範大学・教授)
- 日時
- 2016年9月23日(金)16:00~18:00
- 場所
- 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ
講演概要
本セミナーでは、以下の3つの観点から、中国において現在政府が進める大学入学者選抜制度の改革を取り上げる。 大学入試がいかに優秀な学生を選抜するか、中等教育学校の教育改善に貢献しているか、高等教育機関の経営自主権の拡大に貢献しているか、である。
具体的には、全国統一大学入学試験と各大学による推薦入学・自主学生募集が、中等教育学校の教育改善や高等教育機関の経営自主権の拡大に貢献しているのかどうかを検討する。 次に、中等教育学校(特に「重点中学」)が生徒の大学受験・進学をいかに支援しているのか、高等教育機関(特に自主学生募集を実施する大学)が入学後の学生にいかなる学修支援を行っているかについて検討する。
講演要旨
本セミナーでは、高大接続の視点から、全国統一大学入学試験(以下、統一入試と略す)や推薦入学や自主学生募集を代表的な学生募集・受け入れ方法として、大学入試がいかに優秀な学生を選抜するのか、普通高級中学(特に重点学校)がいかに生徒の大学受験・進学を支援するのか、高等教育機関(特に重点的な研究大学)がいかに入学後の学生の学修を支援するのかを明らかにした。
主な内容は、以下のとおりである。
・統一入試を用いた入学者選抜では、統一入試の成績のほか、学業水準試験の成績、総合素質評価の結果が判定基準とされ、受験生が総合的に判定されている。
・推薦入学制度では、第1次選抜として学科試験(筆記試験)が、第2次選抜として実面接試験を行っているが、学科試験の比重が大きい。
・有名大学は「自主学生募集」を行っている。これには二種類がある。一つは統一入試の成績に基づくものであり、多くの大学が実施している。いま一つは、統一入試の成績を参考程度にとどめ、大学が独自に行う学科試験や面接試験を中心に選抜するものである。復旦大学と上海交通大学が実施している。
・1970年代末頃から2000年代まで、重点高校またはモデル高校は、有名大学に多くの生徒を入学させるために、厳しい受験教育を行っている。2010年以降も、モデル高校は依然として大学進学準備を主要な任務としている。一部の学校は、生徒に過酷な管理や強化訓練を行っている。
・1999年から「高レベルの創造的人材工程」を実施し、さらに2010年からは「基礎学科英才学生養成試験計画」を実施している。これは、優秀な学生の養成を重視する国の方針によるものである。単に学力だけでなく、創造的精神と実践的能力の面でも秀でていることを重視している。
・中国では、国と各高等教育機関が優秀な人材選抜・養成するために、各種の養成プログラムとともに、厳しい入学者選抜を実施している。その背景には、以下の事情がある。①優秀な人材養成が有名大学の使命とされていること、②重点高校は厳しい受験指導を行うことにより有名大学の入学者選抜を支えていること、③大学志望者数が収容定員を圧倒的に上回っており、入学者選抜が高いレベルで機能する条件があること。
- 申し込み方法
- 本セミナーへのご参加を希望される方はセミナー参加申込フォームから必要事項をご入力下さい。その際にご入力頂いたメールアドレスへの返信をもちまして、申込完了となります。
- お問合せ先
- info@cshe.nagoya-u.ac.jp
- Tel:052-789-5696
- 本セミナーに関する質問事項等があれば、上記のお問い合わせ先まで連絡をお願いいたします。