第162回招聘セミナー
第10回「アドミッション担当教職員支援セミナー」
名古屋大学大学院教育発達科学研究科附属高大接続研究センター「レクチャーシリーズ」公開研究会
高大トランジションの達成を目指した入試・教育の設計と開発
-京工繊のダビンチプログラム-
山本 以和子 氏
京都工芸繊維大学アドミッションセンター・准教授
2018年12月7日(金)14:00~16:00
名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ
開催案内
第162回招聘セミナー
第10回「アドミッション担当教職員支援セミナー」
名古屋大学大学院教育発達科学研究科附属高大接続研究センター「レクチャーシリーズ」公開研究会
- 講演題目
- 高大トランジションの達成を目指した入試・教育の設計と開発
-京工繊のダビンチプログラム- - 講演者
- 山本 以和子 氏
(京都工芸繊維大学アドミッションセンター・准教授) - 日時
- 2018年12月7日(金)14:00~16:00
- 場所
- 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ
講演概要
中等教育との接続を目指し、「思考力等」や「主体性等」の評価の導入について、各大学が検討されています。京都工芸繊維大学では、2002年度入試から「ダビンチ入試」と呼ばれるセンター試験、個別教科型学力試験を課さない、いわゆる総合的・多面的評価入試を実施してきました。この入試を通過した入学者は、プレイスメントテスト結果が上昇し、学習行動特性も良好なのが特徴です。受検倍率が平均7倍程度(単位別では多いとき15倍を越す)のダビンチ入試の背景となる高大接続論、設計、実施内容やコンセプトについて解説いたします。
講演要旨
本学のダビンチ入試は、1999年接続答申に呼応して導入し、既に十余年経過した。センター試験、個別教科学力試験を課さないいわゆる総合的・多面的評価で実施している。2019年度ダビンチ入試は、411名出願で合格者が61名。実質倍率6.7倍、最高実質倍率は15.1倍であった。これまでダビンチ入試を合格して進学した学生は、中退予備軍が一般入試合格者より少なく、学業成績は一般入試合格者との間に差がない。また取得単位数も一般入試合格者より多いのが特徴である。その他にもプレースメントテスト結果は、導入当初と比べて1割以上も取得平均点が上昇している。さらに、主体性ある学習行動特性を有していることが判明している。
ダビンチ入試には、現状の高大接続の課題に対峙して、本学の教育目標に応じた戦略的な設計を図っている。その高大接続の概念の一つが、選抜方法に教育的要素を盛り込み、受験に動機付けられた学力ではなく、学校生活の中で発揮する主体性ある学業遂行能力を評価するという点である。二つ目が、以前に学んだ知識に新しい知識をつなげて生みだすような知識の取捨選択を判断する能力を評価するという点である。さらに、合格者が大学ステージで確実に定着できるよう、入試と教育の両面で展開するという点である。これらを総合して本学では高大接続ではなく、高大トランジション(機能するようにつなげ、新たなステージで定着できる)の達成を目標としており、名称も入試(ダビンチ入試)と接続教育(ダビンチカレッジレディネスプログラム)で「ダビンチプログラム」と呼んでいる。
ダビンチプログラムの設計の背景には、国内外の高大接続、初年次教育の理論や知見がある。これらを利用しながら、自大学のミッションや教育ビジョン、ポリシー等と高等学校をはじめとした受験動向や高校教育・生徒の学習状況等の外部環境の課題を読み解き、戦略的優先目標に応じた高大接続期の入試・教育プログラムを設計しているのが、ダビンチプログラムである。
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