第166回招聘セミナー
Intellectual Leadership:
大学教授の本質的役割をとり戻すために
Bruce Macfarlane 氏
英国ブリストル大学教育学部・教授/学部長
2019年3月20日(水)10:00-12:00
名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ
開催案内
第166回招聘セミナー
- 講演題目
- Intellectual Leadership:
大学教授の本質的役割をとり戻すために - 講演者
- Bruce Macfarlane 氏
(英国ブリストル大学教育学部・教授/学部長) - 日時
- 2019年3月20日(水)10:00-12:00
- 場所
- 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ
講演概要
大学経営が求められる昨今、教授のリーダーシップも管理的ないし経営的側面が強調されがちです。本セミナーでは、見過ごされがちなもう一方の側面、すなわち教授の知的リーダーシップについて、再考します。
知的リーダーシップは、教授のあるべき姿であり、学問分野内、分野間、組織内、学問と社会の間などで発揮されます。学問の自由と責任のバランスによって成り立つ知的リーダーシップは、成果主義に偏向するなかで危機にあります。教授たちが学術界をよりよく導くために、いま必要なことを探ります。
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使用言語:英語
講演要旨
本セミナーでは、大学教授が知的分野でとるべきリーダーシップについて、2012年の著書“Intellectual leadership in higher education: renewing the role of the professoriate”をもとに論じた。
昨今は世界各地で大学経営が注目されており、教授のリーダーシップについても管理的ないし経営的側面が強調されることが多い。しかし本セミナーで取り上げたのは、そのような管理的職位(専攻長、研究科長、〇〇委員長等の役職)とは離れたところで「一般の」教授がとるべき、リーダーシップである。これを「知的リーダーシップ(intellectual leadership)」と称する。多くの先行研究はどのようにして教授になるかに焦点があり、教授になって後のあり方は議論されてこなかったことも指摘しておきたい。
知的リーダーシップは、学問の自由と学者の責務とのバランスによって成り立つものである。批評したり提唱したりする自由とともに、メンターであること、学問の守り手となること、他者を手助けすること、組織を代表して振る舞う責務を負っていることにも目を向ける必要がある。
このような知的リーダーシップにはいくつかの様式があり、すべてを一人の教授が叶えることは稀である。それでも、知識生産(knowledge producer)にばかり目を向けるのではなく、それ以外にも1つか2つ、たとえば、専門知識を広く市民に伝える(academic citizen)とか、既存の学問分野を越境し繋いでいく(boundary transgressor)とか、社会のさまざまな問題における公共の議論に影響を及ぼす(public intellectual)とかいった貢献が望まれる。
教授が知的リーダーシップを発揮するには、大学組織も教授も、変わらねばならない。大学は、教授の知的リーダーシップに対する期待を明確にし、それらが認識されたり評価されたりする風土を作る必要がある。教授自身は、組織や分野の中にのみ閉じこもらないこと、すなわち、ローカルとコスモポリタンのバランスをとること、そして、研究業績に対するプレッシャーに打ち克つことが求められる。
- 申し込み方法
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- お問合せ先
- info@cshe.nagoya-u.ac.jp
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