名古屋大学 高等教育研究センター

第172回招聘セミナー
第13回「アドミッション担当教職員支援セミナー」
大規模私立大学における
「高大接続」改革の「マネジメント」
-中長期計画(WasedaVision150)の意義と限界-
沖 清豪 氏 早稲田大学文学学術院 教授/入学センター 前副センター長 2019年10月10日(木)15:00-17:00 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ

■ 開催案内

第172回招聘セミナー
第13回「アドミッション担当教職員支援セミナー」

講演題目
大規模私立大学における「高大接続」改革の「マネジメント」
-中長期計画(WasedaVision150)の意義と限界-
講演者
沖 清豪 氏
(早稲田大学文学学術院 教授/入学センター 前副センター長)
日時
2019年10月10日(木)15:00-17:00
場所
名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ

講演概要

早稲田大学は伝統的大規模私立大学として学部自治が尊重されてきたが、学生像が変容する中で、2000 年代中盤には全学的な教育改革とその前提となる入学者選抜制度の改革が迫られることとなった。本報告では、2032 年に向けた中長期計画であるWasedaVision150 の核心戦略筆頭に位置付けられた「入試制度の抜本的改革」について大学マネジメントの観点から紹介し、何が課題とされ、何が行われ、何ができなかったのかについて検証したい。

■ 講演要旨

本講演では、早稲田大学の中長期計画WasedaVision150における核心戦略1「入試制度の抜本的改革」について、何が課題とされ、何が行われ、何ができなかったかについて紹介した。

大学全体の入試改革を進めるにあたっては、大学ガバナンスの確立だけでなく、実際のマネジメントの側面からも検討する必要がある。特に伝統的大規模私立大学では学部自治が重視されており、全学的な改革を進めるためにいくつかの仕掛けが必要となる。

2010年代初頭において、早稲田大学では、社会科学分野の専門教育における数学の必要性の高まりや教養教育改革といった教育面の課題だけでなく、地方出身者の入学比率の低下による学生像の変容、さらには2月中下旬に東京に受験生を集めて一斉に実施する一般入試の在り方自体がリスクとして認識され、改善策を模索する動きが生じていた。

Vision150の設定に先行して2008年から2012年を対象とした中期計画Next 125でも入試改革が論点として示されていたが、実際には附属校・系属校の拡充や教育連携の促進といった高大連携が議論の中心となり、入試制度自体の改革は先送りされた。

こうした背景や状況を踏まえ2012年に策定されたVision150では、20年後の2032年における早稲田大学の姿を想定し、そこに到達するための数値目標を明示し、具体的に5年後の到達目標を数値目標として設定して大学改革を進めている。入試改革はその革新戦略の筆頭に位置付けられ、オープン・キャンパスの地方実施、新たな入試制度の開発、入学センター以外の職員も参加する国内外の広報活動の充実といった改革を進めてきた。

こうした改革を進めるための方策として、入学センター内に小規模な全学統一入試(新思考入試)を設計・実施するために入試開発オフィスや入学者選抜オフィスを組織した。新しい入試制度は高校教育の変容や期待する学生像の変化に応じて設計され、広報や書類選考などは入学者選抜オフィスで実施し、最終的な合否判定を各学部で実施している。

一方で数値目標や具体的な行動計画について、半期ごとに成果を報告し、大学理事会から詳細に確認されるという形で改革が進められてきた点も無視できない。

質疑応答では、高大接続改革の中で残されている課題は少なくないが、入試制度の改革は入学後の教育の改善と連動させることが重要であるとの認識が共有された。

申し込み方法
 本セミナーへのご参加を希望される方はセミナー参加申込フォームから必要事項をご入力下さい。その際にご入力頂いたメールアドレスへの返信をもちまして、申込完了となります。
お問合せ先
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-3534
(セミナー専用)
本セミナーに関する質問事項等があれば、上記のお問い合わせ先まで連絡をお願いいたします。
諸連絡
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