名古屋大学 高等教育研究センター

第178回招聘セミナー 障害者差別解消法施行後の
障害学生支援動向
柏倉 秀克 氏 桜花学園大学大学院人間文化研究科 教授 2020年1月9日(木)15:00-17:00 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ

■ 開催案内

第178回招聘セミナー

講演題目
障害者差別解消法施行後の障害学生支援動向
講演者
柏倉 秀克 氏
(桜花学園大学大学院人間文化研究科 教授)
日時
2020年1月9日(木)15:00-17:00
場所
名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ

講演概要

障害者差別解消法が施行され4年目を迎えますが、各大学では文部科学省「障害学生の修学支援に関する検討会第2次まとめ」や同省による障害者差別解消法対応指針に基づく支援体制の整備が進められています。その一方で大学の規模等による支援体制の格差が指摘されています。本講演では障害学生支援において中心的な課題とされる合理的配慮を取り上げ、教育の質保証、支援の根拠となるエビデンス、専門人材との関連から検討します。

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■ 講演要旨

本講演では、2013年に制定された障害者差別解消法を受けて、各大学で障害学生の入学後の学修支援がどのような状況にあるのか、法律で規定された合理的配慮の提供の具体的な内容やその提供方法、それらをめぐる現状と課題を中心に検討した。

障害者差別解消法が施行され4年目を迎え、各大学では文部科学省「障害学生の修学支援に関する検討会第2次まとめ」や同省による障害者差別解消法対応指針に基づく支援体制の整備が進められている。

障害学生数の経年推移をみると、2015年から障害学生の総数が前年の1.4万人から2.1万人と急増し、2017年には3.4万人に達している。障害学生の在籍率も2017年度には初めて1%を超えた。内訳は病弱・虚弱33%、精神障害26%、発達障害17.9%である。と多い。障害者差別解消法では合理的配慮は、国立大は義務、私立大は努力義務とされているが、自治体によっては条例で私立にも義務を課す例もあり、今後増加が予想される。

第2次まとめでは、必要な合理的配慮を円滑・迅速・適切に提供するため、各大学に必要な手続きとして、慈善的改善措置、学内規程、組織の整備が提案されている。障害の状況の変化や学年進行、建設的対話をふまえ、合理的配慮の内容を検討・決定することが大切である。その決定にあたっては、教育の目的・内容・評価に留意すること、教育の本質をふまえつつ過重な負担にならない範囲内で提供することも重要である。そのため、ディプロマポリシーやアドミッションポリシーに、教育の本質を変えずに、具体的に記述し公開することが求められる。個々の授業についてもシラバスに学修支援の内容・方法を明記すること、校外実習等については、実習で学生に求められること、実習参加の条件や大学側の提供できる配慮等について事前に丁寧に説明すること等が必要である。これらの情報提供は入学後に行うだけでなく、入学前のオープンキャンパス等でも行い、障害学生の理解と相応の準備を促すことも重要である。

これらの点を具体化するためには、それぞれの対応策についてさらに内容を具体化・明確化することが必要であり、継続的に検討が必要とされる。

申し込み方法
 本セミナーへのご参加を希望される方はセミナー参加申込フォームから必要事項をご入力下さい。その際にご入力頂いたメールアドレスへの返信をもちまして、申込完了となります。
お問合せ先
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-3534
(セミナー専用)
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