第102回客員教授セミナー
第7回教育の質保証に関する研修セミナー
⼤学におけるカリキュラムマネジメントと
質保証の課題
杉⾕ 祐美⼦ 氏
⻘⼭学院⼤学教育⼈間科学部 教授
2021年3月22日(月)15:00-17:00
開催案内
第102回客員教授セミナー
第7回教育の質保証に関する研修セミナー
※ 定員に達したため、申込受付を終了させていただきました
- 講演題目
- ⼤学におけるカリキュラムマネジメントと質保証の課題
- 講演者
- 杉⾕ 祐美⼦ 氏
(⻘⼭学院⼤学教育⼈間科学部 教授) - 日時
- 2021年3月22日(月)15:00-17:00
講演概要
カリキュラムは⼤学教育の要となるもので、⾼等教育政策においては組織的に体系的なカリキュラムを編成することが求められてきた。それはカリキュラムのデザインだけにとどまらず、マネジメントの問題をも内包していることを意味する。さらに近年は「学修者本位の教育への転換」「学修成果の可視化」「教育成果の可視化」の呼び声のもとに、カリキュラムの評価も重要な課題となりつつある。本セミナーでは、カリキュラムマネジメントの理論と実態を考察し、現在、中央教育審議会の質保証システム部会で⾏われている議論なども踏まえ、評価⽅法を含めた質保証のあり⽅について検討する。
本セミナーは ZOOM によるオンラインで開催します。オンライン参加が可能であることをご確認の上でお申し込みください。
オンライン参加の要件等
・カメラ・マイクが利⽤可能で、⾼速なインターネットに接続されたPC等が⽤意できること。
・発言等ができる静穏な環境で参加できること。
講演要旨
本セミナーでは、日本における近年の学士課程カリキュラム編成の動向と関連する高等教育政策を概観し、カリキュラム論の観点から改めてそれらを捉え直し、今後の質保証をめぐる課題について考察した。
近年の動向としては、2003年と2018年に実施した全国調査の結果を比較し、教養教育の内容が初年次教育化する一方、専門教育は高度化の傾向にあること、また教養教育に関する負担は一定程度あるものの運営体制は改善してきていることが明らかになった。ただし、教養教育の運営体制が弱体な大学ではカリキュラム編成のみならず、担当組織、教育資源、担当体制、そして組織文化にも負の影響が及んでいることがうかがえた。また、3ポリシーの策定やカリキュラム編成においてはポリシー間の整合性は非常に重視されているが、カリキュラムの効果検証・評価についてはあまり進展がみられていないこともみてとれた。
こうしたなか、中央教育審議会の「2040 年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」を受けて、多様で柔軟な学修者本位の教育とその質保証を目指し、体系的、横断的、断続的、組織的、開放的なカリキュラムを実現するための制度改正が次々と行われている。ここから今後カリキュラムマネジメントの重要性が一層高まることが予想され、その効果的な実現のために教育活動の内容・方法上の連関性と条件整備活動上の協働性の相補的関係を組織構造と組織文化も含めて構築することが課題となっている。
ところで、本来、カリキュラムには工学的アプローチと羅生門的アプローチの2つがあり、現在は目標重視の前者が即興性重視の後者よりも重きをおかれている。教育活動の内容・方法上の連関性について考えるうえでも、カリキュラムが達成すべき教育目標をどの程度限定し具体化するのか、またそれに対応した教育内容、評価方法をどの程度の範囲まで許容するかによって実際のカリキュラムの内容や構造も異なる可能性がある。セミナーでは、中央教育審議会の質保証システム部会で行われている議論なども踏まえ、カリキュラムの効果検証にも用いられる「学修成果」の評価をどこまで厳格に求め、それをどの程度公表すべきなのか、評価手法の精緻化・厳格化とコストのバランスをどうとるかを問題提起した。
- 申し込み方法
- 下記セミナー参加申込フォームから必要事項をご記入ください。その際にご入力頂いたメールアドレスの返信をもちまして、申込完了となります。
http://www.cshe.nagoya-u.ac.jp/seminar/form/
- 定員
90名(申込締切 3月15日)
- 参加方法
後日参加申込された方にお知らせします。参加案内はセミナー開催の2日前までにお送りします。届かない場合は下記までお問い合わせください。
- お問合せ先
- info@cshe.nagoya-u.ac.jp
- Tel:052-789-3534
- (セミナー専用)
- 本セミナーに関する質問事項等があれば、上記のお問い合わせ先まで連絡をお願いいたします。
- 諸連絡
- ※いただいた個人情報は、本企画運営の目的にのみ使用いたします。