名古屋大学 高等教育研究センター

名古屋大学高等教育研究センター 第208回招聘セミナー 日本の大学界をジェンダー平等に
-男女共同参画政策の展開と
女性学長研究の成果から-
河野 銀子 氏 山形大学学術研究院教授(地域教育文化学部主担当) 2023年2月16日(木) 14:00-16:00

■ 開催案内

名古屋大学高等教育研究センター 第208回招聘セミナー

講演題目
日本の大学界をジェンダー平等に
-男女共同参画政策の展開と女性学長研究の成果から-
講演者
河野 銀子 氏
(山形大学学術研究院教授(地域教育文化学部主担当))
日時
2023年2月16日(木) 14:00-16:00
共催
東海国立大学機構 アカデミック・セントラル インストラクショナル・デザインチーム

講演概要

日本においても男女共同参画政策が進められてきたにもかかわらず、世界経済フォーラムによるジェンダーギャップ指数は146カ国中116位と依然として低い。大学はさまざまな分野の人材を生み出す教育研究機関としてジェンダー不平等の解消に先陣を切って取り組むべきであるが、そのトップである女性学長割合は約14%でしかない。本セミナーでは、まず男女共同参画政策の展開を押さえ、次に国内外の女性学長を対象とした演者らの共同研究を踏まえて今後を展望する。


本セミナーは Zoom によるオンライン開催です。
・マイクが利用可能で、高速なインターネットに接続されたPC等が用意できること
・発言等ができる静穏な環境で参加できること
以上をご確認のうえ、お一人様1アカウントにてお申し込みください。

■ 講演要旨

本セミナーでは、昨今の日本ではジェンダー平等という言葉が広く知られ、その重要性を認識する人々が多くなったものの、現状はジェンダー平等とは程遠いことをデータで確認した。就業者の45%が女性であるのに対し、衆議院議員や企業の管理職、研究者などは2割に満たず、さまざまな分野の人材を送り出す研究教育機関としての大学に期待がかかることを共有した。

次に、男女共同参画政策を概観した。1970年代以降、国際動向と連動しながら法律を整えて取り組んできたこと、なかでも重要なのは、1999年の男女共同参画社会基本法と、2003年に提示された「20230の目標」(2020年までにあらゆる分野の指導的地位に就く女性割合を30%にする)であることを指摘した。さらに、科学技術分野の男女共同参画に関する政策が本格的に開始されたのは、2006年の第3期科学技術基本計画であることを紹介した。

これらを踏まえ、男女共同参画社会基本法の理念等について条文に基づき、解説した。また、2020年12月に閣議決定された「第5次男女共同参画基本計画」の第4分野(科学技術)、第10分野(教育等)と、それを踏まえた「女性版骨太の方針2022」において大学が取り組むべき課題が示されていることを確認した。それらにおいて女性研究者の数値目標が掲げられているが、女性研究者が30%になるのは2060年であり、現行の施策では大学のジェンダー平等は程遠いことを示した。

大学のジェンダーバランスは、学生や職員においては悪くないものの、教員や管理職は男性に偏っている。これらを改善するためにも、また、学生たちにジェンダー平等なキャンパスの景色を見せるためにも、女性の学長が14%程度という現状は変えなくてはならない。こうした問題関心から女性学長7名を招いて開催したシンポジウム「女性学長はどうすれば増えるか」で語られた6つのポイントを、拙共著(『女性学長はどうすれば増えるか?』東信堂)に基づいて紹介し、結びとした。

申し込み方法
下記セミナー参加申込フォームから必要事項をご送信下さい。
https://forms.office.com/r/dsJVAK8Hxn
・いただいた個人情報は、本企画運営の目的にのみ使用いたします
定員
100名(申込締切 2月14日)
参加方法
参加申し込みされた方に後日お知らせします。
お問合せ先
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-3534
(セミナー専用)
本セミナーに関する質問事項等があれば、上記のお問い合わせ先まで連絡をお願いいたします。
案内用ポスターPDFPDF

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