第4回客員教授セミナー 「ミネソタ大学の教育改革」 The Transformation of a University: The Case of Minnesota ジョン・コーガン 氏 センター客員教授 1999年 6月30日(水) 名古屋大学 教育学部 会議室
講演要旨
ミネソタ大学教育及び人間発達学部(College of Education and Human Development)における30年にわたる改革の歴史が紹介された。「スプートニク・ショック」に刺激されたアメリカ合衆国の科学技術振興政策により、1960年代は高等教育研究のgood yearsとなった。しかし、1970年代に入り、州政府からの助成金の大幅カットなどにより、そうした幸せな時代は終焉を告げ、ミネソタ大学教育学部も大きな機構改革を余儀なくされることとなった。1990年代に入ってその中で最も重要な改革が進行中である。それは教育学部のみならず大学全体の改革と連動した大規模なrestructuringであり、U2000と名づけられている。U2000は2000年までに以下の目標を達成しようとする戦略的プランである。1)学部のmissionと目的を明確にする。2)プログラムの質を高めると同時に対費用効率を改善する。3)「land-grant institution」としての研究・教育面での地域への貢献を維持する。この目標に向けて、各学部長には、徹底した教育プログラムの見直し、弱体で余分な(weak or redundant)プログラムの廃止、戦略的に見てプライオリティが高いプログラムの強化、人材・財源配分の見直し、外部資金調達の手段を確保することなどの任務が課され、取り組まれてきている。