第22回招聘セミナー 高等教育へのスムーズな移行をめざして オーストラリア高等教育における初年次教育に関する研究 リチャード・ジェイムス氏 メルボルン大学高等教育研究センター助教授 2001年 6月21日(木) 15:00-17:00 名古屋大学東山キャンパス センター会議室
講演要旨オーストラリアではドロップアウトする大学生の大半は初年次生であり、入学後の数週間に決意するケースが多いため、初年次教育をどう改善するかは大学にとって非常に重要なテーマである。メルボルン大学高等教育研究センターでは、全豪7つの異なるタイプの大学の初年次生に対して行った意識調査データを分析した。この調査は 1994年と 99年に同じ条件で実施されたので、経年比較が可能である。調査項目は、入学理由、学習意識、対人関係や大学への関心、ITへの関心と利用頻度、就業形態、授業内容や教師に対する評価などである。5年間に、教育内容や教師に対する学生の評価はやや厳しくなった一方で、アルバイトをする学生が増えるなどの変化がみられた。初年次教育を改善するためには、充実したオリエンテーション、メンタリング(学生相談制度)・ピアサポート(学生相互のサポート)、きめ細かい学習支援システム、選択性の高い柔軟なカリキュラム、ベテラン教師の初年次教育への配置などが必要である。