センター創設記念講演会 「リアリティとしての大学革命」 金子 元久 氏 東京大学教授・大学総合教育研究センター長
講演要旨
1 高等教育改草の二つのコンテクスト
大学審議会中間報告をどう読むか
●大学審議会のlO年
/初期の構想−規制緩和
/自己評価の形骸化
/進まない学部教育改革
●大学改革へのいらだち
/タテマエとしての自己改革
/社会への政治的説明の必要性
●焦点としての外部評価
/基準協会中心構想の棄却
/第3者機関による評価
/財政補助とのリンク
行政改革の動き
●国立大学の私学化・エージェンシー化諭
/行政改革会議1997年夏の動き
/郵貯改革の代替
●現在のうごき
/再燃の可能性
/私学からの要求
/公務員削減目標との関連
●どの程度、現実的か
/大学審議会との関連
/具体的な問題点
/ブラフとしては強カ
国立大学として何ができるか
●戦略としての大学評価
/説明としての大学評価
/資源配分とのリンク?
/利害の階層性
●学士課程教育をどう評価するか
/学士課程教育についての説明責任
2 大学で何がおこっているか
学士課程教育の基本的な問題点
●日本の社会と学士課程教育
/偏差値体制の中での学部教育
/企業の側の問題点
●レリパンシーのない文科系
/大学教育の内容が将来に関係ない
/学生のインセンティブ欠如
/教師の側の遠慮
●学生に理解させない理科系
/過重なカリキュラム
/具体的な関心と基礎科目の乖離
/高能カ者を焦点とする教師
学生の変化
●入学前学カの低下、多様化
/高校の指導要綱の変化
/入学者の相対的増大
/教育への要求の拡大
教養部廃止と大学教員の意識変化
●教養部廃止
/全学教育科目の運営の問題点
/副産物としての学習への視点
/カリキュラム改革
●教員の変化
/多忙化
/自信のゆらぎ
/「面白い」授業 若者用カルチャー・スクール化
3 大学研究センターに何ができるか
大学研究センターの可能性
●大学についての研究機関
/高等教育制度・政策と個別機関
/大学の自己点検・評価
●大学改革・改善の実践機関
/授業改善の研究・指導
/TAの指導
●改革への触媒
/学士課程教育の問題発見
/高度化への情報交換・ネットワーク形成
活動のカペ
●全学共通教育の調整機関として用いられることの危険
/教養部廃止後第2期の問題
/責任体制の曖昧さ
●個別学部の権益としての学士課程教育
/学部外組織としての大学センター
/介入への疑惑
●個別教員の権益としての教育
/教育内容と方法
/方法への疑問
/方法ではない問題
学士課程教育高度化の展望
●組織的な対応の必要性
/カリキュラム
/TAの活用
●学士課程教育への全学的な責任体制
/学士課程の統合化
/ネットワークの形成