研究員セミナー 大学入試から見た能力開花に関する一試論 進学適性検査高得点者調査より 腰越 滋 氏 東京学芸大学教育学部助教授/高等教育研究センター内地研究員 2004年 2月17日(火) 午後4時 名古屋大学東山キャンパス 文系総合館5階 センター会議室
講演要旨
この報告では18時点で傑出した知的才能を示した女性に焦点をあて、職業的文脈に限定されない才能や知的創造性の特徴を調べる。具体的には昭和 24年度から29年度までの進学適性検査の高得点者に対し、自由回等形式のアンケートを行った。進学適性検査に注目する理由は、階層組織化の規範(Organizing Fork Norm)に規定されて、大学入学者選抜試験の形式が、学力試験になったり適性試験になったりするのではないかという仮説を抱いているからである。
調査結果によると、進学適性検査高得点者について、以下のような点が明らかとなった。
- 受験当時のテスト観においては、先天的知能、大学課程への適応能力、論理的思考能力の面で特徴がみられる
- 自己の能力観においては、良好な家庭・学習環境の面で特徴が一定程度確認されるある
- 期待する人材観・能力観においては、意欲・責任感の面で特徴がみられる
こうした特徴は男性を対象とした先行研究と比較して、ほぼ同様の結果であるものの、今後インタビュー調査などを通じてより詳細な分析を進めていくことにしたい。