第31回招聘セミナー FDのFuture Design 学生による授業評価と授業公開をデザインする 三浦 真琴 氏 静岡大学大学教育センター教授 2004年 1月27日(火) 午前10時 名古屋大学東山キャンパス 文系総合館7階 オープンホール
講演要旨
本発表の目的は、授業評価とFDについて今後の目指すべき方向について検討・提言することである。2001年現在、61.0%の大学がFDを実施し、 76.5%の大学が授業評価を行っている。実際、多くの大学においてFDの内容は全学対象の講演会型から部署別の問題発見型へとシフトしつつある。しかし問題なのは、全国の約4分の3の大学において、大学評価とFD活動が結びついていないことである。FD活動を充実させるためには、学生による授業評価を整備・充実させることが不可欠である。
授業評価アンケートの改善点としては、次の3点が挙げられる。
- 授業改善のためにヒントの得られない設問を削除する
→学生の学習態度を尋ねるのは意味がない - 曖昧・不明瞭な設問項目間の関係を明瞭にする
→評価項目のカテゴライズが必要 - 結果を公表するとともに、結果に対するコメントを出す
→評価結果を評価者にフィードバックする
FDの将来設計のためには、重回帰分析による授業アンケート結果の分析に加え、授業公開・同僚教師による授業観察、授業分析による知見の蓄積などの方法によって、授業改善に関する情報の蓄積と共有が重要である。