名古屋大学 高等教育研究センター

第15回招聘セミナー 「英国大学におけるパフォーマンス・インディケイターと戦略的計画」 キース・モーガン氏 ニューカスル大学元学長 2000年 11月15日(月) 9:30- 名古屋大学高等教育研究センター 会議室


■ 講演要旨

 戦略的計画(Strategic Planning)は、限られた財源の中で最大限の学術的成果を生むための手段である。英国では従来、大学補助金委員会(UGC)によって補助金が固定的に配分されていたが、1992年のポリテクニクの大学昇格などによって、高等教育に対する政府補助金の配分機関も高等教育財政審議会(HEFC)に一元化された。これによって大学は政府に対して一種の契約義務を負うようになり、大学外部に対して説明責任の伴う戦略的計画づくりが必要となった。大学の実績を評価するためのパフォーマンス・インディケイターには研究指標と教育指標の2種類がある。研究指標には、在籍する研究者データ、研究成果データ、大学院生数、学位授与数、外部資金の獲得額、機関としての研究体制・戦略などがある。教育指標は、調査団が対象となる大学学科ごとに1週間にわたって訪問調査を行う方式を採っている。具体的には、カリキュラム内容、授業・学習内容、授業評価の内容、学習到達度、学習支援体制、学習リソース、教育の質的管理の方法などである。