特別招聘セミナー
会計教育における
グローバル・スタンダードの影響
野口 晃弘 氏
名古屋大学大学院経済学研究科助教授
2004年 3月24日(水) 午前10時30分
名古屋大学東山キャンパス 文系総合館5階 センター会議室
講演要旨
現在、欧米の先進国において会計の国際化が進展している。これは会計基準,財務報告基準、監査基準,会計教育基準のグローバル・スタンダード化を意味するものである。それに呼応する形で日本でも会計基準の改定・設定、企業会計基準委員会の設立、公認会計士試験制度の改正と対応がとられ,大学においても,アカウンティング・スクール設立に向けての動きが加速している。
そのような動きの中で,国際教育基準に沿った会計教育が求められるが、日本においては大学での教育よりもむしろ,予備校に依存しているのが現状である。そういった中でいかに国際教育基準を満たした会計教育を行うかが問題となろう。
日本における会計教育は、試験内容に特化した記憶中心の学習が行われ,実務に必要な対人折衝能力を養う機会が不足している。また会計業務の国際化を視野に入れた、情報技術の習得や語学教育も十分とはいえない。さらに経営倫理や会計倫理と行った公認会計士の自律性に必要不可欠な倫理教育もほとんど行われていない。
このような問題点をふまえるならば、日本においては,大学における会計教育の内容の充実と予備校に依存した体質からの脱却が求められているといえよう。