第55回招聘セミナー 初年次教育の成果をどう測るか ランディ・スウィング氏 米国ブリバード大学 一年次教育政策研究センター・副センター長 2006年2月17日(金) 14:00〜15:00 名古屋大学東山キャンパス 文系総合館3階 306号室
講演要旨
初年次教育は学生の募集・入学選抜、成績によるコース分け(Placement)、オリエンテーション、初年次に行われる授業、授業以外の学習サービス・プログラムなどを包括する概念である。本発表では、この初年次教育を評価する方法論として、Astinが提唱するI-E-Oモデル(Input-Environment-Output: 投入ー環境ー成果モデル)の有効性について検討する。
一般に評価を行うためには、適切な基準、証拠、明確な指標などが必要となる。つまり、成果だけの評価、および投入と成果の関係、環境と成果の関係では不十分である。初年次教育の評価を行うためには、投入−環境ー成果の3要素が不可欠である
たとえば初年次教育の場合、入学時の学生の特性・高校時代までの経験などは投入因子となり、授業の内容、大学の教育システム、大学での活動(時間の過ごし方、友人関係、熱中する対象)、教室外の活動(生活、アルバイト、遊び、家族など)が環境因子となる。この場合、環境因子は大学側が関与するもの(授業の内容、大学の教育システム)、学生が主体となるもの(大学での活動、教室外の活動)に二分される。
初年次教育の成果は、(1)投入指標を設定し、(2)それに基づいて成果指標を設定し、(3)学生の活動内容の測定、(4)大学側の関与内容の測定、のプロセスによって明らかになる。
初年次教育の評価には学生の善意が不可欠である。学生の時間を有効に活用し、評価活動の計画・実行段階で学生が主体的に参加し、評価結果の活用方法を公開し、結果を学生や保護者と共有することが重要である。
開催案内
第55回招聘セミナー
初年次教育の成果をどう測るか
ランディ・スウィング氏
(米国ブリバード大学 一年次教育政策研究センター・副センター長)
日時:2月17日(金)午後2時〜3時
場所:名古屋大学東山キャンパス 文系総合館3階 306号室
講演概要
本発表では、初年次教育の成果を測定する際の課題について、アスティンの「投入−環境−成果」モデルを用いて説明する。
具体的には、入学時の学生の特性、初年次学生の学習内容、初年次学生に対する大学の学習支援、初年次学生の学習成果の4点に注目したい。
言語:英語(通訳はありません)
お問い合わせ: 近田 <chikada@cshe.nagoya-u.ac.jp> (tel:052-789-5692)
※セミナーに出席を希望される方は、セミナー当日までに<seminar@cshe.nagoya-u.ac.jp>宛へご連絡下さい。(準備等の都合のためであり、必須ではありません。) セミナーは研究者、教育関係者、教育機関の事務担当者、学生(大学院生・研究生・学部生)、社会人など多くの方の参加を歓迎しております。 また、セミナー開催情報メールサービスも是非ご利用下さい。