第36回招聘セミナー 初年次教育における教育評価とポートフォリオ活用 Wendy Troxel氏 Director, University Assessment Office, Illinois State University 2004年 3月1日(月) 午後2時 名古屋大学東山キャンパス 文系総合館7階 オープンホール
講演要旨
アメリカの大学において、初年次教育は重要な問題であり、その必要性はますます高まっている。それぞれの大学における初年次教育の取り組みは、広範囲にわたるものの、まだ優れた初年次教育のプログラムが存在するわけではない。そのため、初年次教育プログラムの有効性を測り、改善するための仕組みをいかに構築するのかが問題となる。
そのため、米国においては、初年次教育政策センター(Policy Center on the First Year of College)とアメリカ州立大学協会(American Association of State Colleges and Universities)の共同プロジェクトとして、初年次教育プログラムプロジェクト(Foundation of Excellence in the First College Year)が進められている。このプロジェクトでは、初年次教育の優れたモデルを開発することを目的としており、初年次教育プログラムの構築と評価の際の基準(Foundational Dimensions)を9つたて各大学の実践に生かしてもらうようにしている。
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理念
初年次教育のねらいを明確にし、その政策や実践を伝えるための思想あるいは理論的根拠に基づく方法で、初年次教育に取り組む。 -
組織と構造
初年次教育に対し包括的、統合的、調和的な方法を提供するための組織構造と政策を作り出す。
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移動
計画的で大学のミッションに適合的な政策や実践を通じて、適切な募集、入学、学生の移動を促進する。
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教員の参加
初年次教育を、大学教員にとってもっとも優先度の高いものへとさせる。
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すべての学生への働きかけ
初年次学生の多様なニーズに応える
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学生との取り決め
高等教育での望ましい成果と大学の思想とミッションに一致した、態度、振る舞い、技能を身につけさせるために、授業の内外で学生と取り決めを行う。
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学生の多様性
学生が多様なコミュニティの一員となるための、さらなる学習が行えるよう、多様な意見にふれ、多様な観点を持ち、多様な人々と交流することを保証する。
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高等教育の役割と目的
個人と社会のために、高等教育の多様な役割と目的を学生に理解させ、学生が適切な目的を持てるよう支援する
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改善と評価
初年次教育プログラムの評価を行い、他大学や初年次教育の改善を目的とした専門的組織との提携を維持する。
各大学の取り組みは、以上の基準に照らしながら行われ評価をされる。また当プロジェクトではそこからフィードバックをはかり、初年次教育の優れたモデル開発を行っている。
9つの基準についての詳細は以下のURLを参照のこと。 http://www.brevard.edu/fyc/