第5回招聘セミナー 「ソウル大学の構造調整」 尹 正一 氏 韓国・ソウル大学・教授 1999年 9月7日(火) 14:00- 名古屋大学高等教育研究センター 会議室
講演要旨
韓国のソウル大学では、研究中心大学への構造改革が求められている。その構造改革の原則は、1)研究中心と大学院中心への志向、2)国家が戦略的に支援する基礎学問と社会が必要とする先端学問の強調、3)大学の門戸開放の拡大である。構造改革において最もインパクトのある改革は、予算に関するものである。1999年度から基本一般会計1500億ウォン以外に、2003年までの5年間に1兆4000億ウォンをソウル大学に対して重点的に支援する計画が立てられた。この計画に対するソウル大学内の一部教授と他の国立大学の反対によって、その予算はBK21(Brain Korea 21)プロジェクトに移されたが、高等教育予算を特定の大学に集中して配分する傾向が強まっている。ソウル大学師範学部でも大学院中心の改革が進められており、名称を教育科学大学院に変更し、学士課程と大学院課程の学生比率を現行の2:1から1:2にする方向性が打ち出されている。