2011年度 教育研修プログラム(大学教員対象)
教員のためのセミナー「多人数授業の教え方」
講師:中井俊樹、東望歩(高等教育研究センター)
開催案内
- 日時
- 2011年7月15日(金) 15:00-16:00
- 場所
- 東山キャンパス文系総合館3F306
- 対象
- 本学教員
- お問い合わせ
- 高等教育研究センター
- Email: info@cshe.nagoya-u.ac.jp
- TEL: 052-789-5814
- (担当:東)
趣旨
大勢の学生を相手に授業をしていると、こんな疑問や悩みを感じることはないでしょ うか。
「授業に集中させるにはどうしたらいいんだろう?」
「学生の理解度や疑問点を授業にフィードバックできないだろうか?」
「出席管理や成績評価を効率的に行う方法ないだろうか?」
「積極的な授業への参加を促すためにできる工夫はないだろうか?」
「ほかの先生はどんな工夫をしながら講義を進めているんだろう?」
今回開催する「多人数授業の教え方」セミナーでは、多人数クラスを教えるためのコツやノウハウについてお話します。どうぞお気軽にお越しください。
開催記録
最初のセッションでは、中井准教授による多人数授業における教授法のレクチャーが行われました。まず、多人数授業の論点、クラス規模の授業に対する影響に関する研究成果が紹介されました。多人数授業の課題としては、匿名性による学生の帰属意識や責任感の低下、個々の学生への教員の対応の減少、教授法・評価方法の制限、授業運営に要する時間の増加などがあり、多人数授業においてはそれらの課題をいかに克服するかが鍵となります。また名古屋大学の調査では、多人数授業に対して教員は不満を抱いているが、学生は多人数授業を大学ならではの学習形態と肯定的に捉えている側面もあることが明らかにされています。
クラス規模が大きくなればなるほど教授法の基本が重要になるため、「導入」「展開」「まとめ」の構成に沿った教授法、それぞれのパートで心がけたい授業運営上の工夫が紹介されました。そして、多人数授業で課題とされる点を解消するため、「学生を大勢の中の無名の一人としない」「学生の参加度を少しずつ高める」といった点に配慮するための具体的な行動を例示しました。
質疑応答を挟んで、ミニットペーパーの活用法についての報告がされました。ミニットペーパーの歴史や種類、多人数授業におけるメリットとデメリットを踏まえた効果的な使い方が紹介されました。
また、多人数授業の教え方、ミニットペーパーの活用法それぞれに関するファカルティガイドを作成し、資料として配付しました。こちらについては現在、本HP「教授・学習サポートツール」のファカルティガイドのページにて公開しております。また、参加者からの希望を受けて、ミニットペーパーのフォーマットも同様にダウンロードできるようにしています。ぜひご利用ください。
参加者のアンケートには、具体的な方法やアイデアを知ることができて良かった、資料(ファカルティガイド)の配布が嬉しい、といった記述があったほか、もう少し時間を長めに取ってグループワークや意見交換もしてみたい、といったご意見をいただきました。
- 主催
- 名古屋大学高等教育研究センター