名古屋大学 高等教育研究センター

特任講師 Lecturer 藤井 基貴 Motoki FUJII 052-789-5815

プロフィール

 1975年岐阜県生まれ。2005年3月、名古屋大学大学院教育発達科学研究科を単位取得修了。愛知県内の大学を中心に非常勤講師として教職課程を担当(教育原理、教育課程論、教育史、道徳教育の研究など)。2007年9月より現職。

専門領域

  • 高等教育論
  • 大学史
  • 教育思想史

現在の研究課題

  • 大学教育における教材・授業開発
  • 教員養成制度 (日本・ドイツ・イギリス)
  • 近代ドイツの教育思想

メッセージ

 大学における教員養成の在り方について理論および実践の面から研究を進めています。理論については、教員養成が本格的に開始された18世紀ドイツの大学に注目し、近代哲学と教員養成制度との関わりについて検討しています。実践については、愛知県内の8つの大学で講義を担当した経験から、教職授業のための教材および授業開発を進めています。

 かつて哲学者カントは授業のあとで次のように言ったそうです。「最前列に座っていた学生の上着のボタンがとれていたものだから、話すことに集中できなかった」。カントが生きていたら今日の大学の授業をどのようにみるのでしょうか。いまや問題となるのは教員と学生のボタンの掛け違いなのかもしれません。大学をよりよい学びの場へと発展させていけるよう微力を尽くしていきたいと思います。


活動データ

研究活動

<研究論文>
  • 「カント教育学講義の歴史的考察」『教育史研究室年報』第7号、名古屋大学教育学部教育史研究室編、2001年11月、35-62頁.
  • 「18世紀ケーニヒスベルク大学における教育学講義−大学における教育学講義の開設と展開に注目して−」『名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要(教育科学)』第48巻、2002年3月、117-127頁.
  • 「カント『教育学』の書誌的考察」『教育史研究室年報』第8号、名古屋大学教育学部教育史研究室編、2002年7月、21-45頁.
  • 「ケーニヒスベルク大学哲学部とカントの大学論−『学部の争い』の大学史的意義をめぐって−」『名古屋大学史紀要』名古屋大学大学史資料室編、第11号、2003年3月、126-150頁.
  • 「イギリス教育史研究の展開と課題―H.シルバー『教育のヒストリオグラフィー』(1985年)の検討を中心に―」『教育史研究室年報』第9号、名古屋大学教育学部教育史研究室編、2003年12月、1-24頁.
  • 「日本における『大学評価』研究についての歴史的考察−『研究論文』、『雑誌記事』の量的分析を中心に−」『教育史研究室年報』第10号、名古屋大学教育学部教育史研究室編、2005年11月、27-60頁.
  • 「カント『教育学』における公共的教育と私的教育―öffentlich概念に注目して―」『中部教育学会紀要』中部教育学会編、第5号、2005年11月、121-131頁.
  • 「カントの乳幼児教育論−ドイツにおける『エミール』受容の一形態として−」『乳幼児教育学研究』日本乳幼児教育学会編、第14号、2005年12月、121-131頁.
  • 「18世紀ドイツ教育思想におけるカント『教育学』の位置づけ」『日本カント研究』日本カント協会編、第7号、2006年8月、153-168頁.
  • 「18世紀ドイツの大学における教育学講義の開設−ケーニヒスベルク大学に注目して−」『大学史研究』大学史研究会編、第22号、2007年3月、2-23頁.
<著書>
  • 「現代の教育思想」篠田弘編『資料でみる教育学』福村出版、2007年4月、45-51頁.
<研究発表>
  • 「ケーニヒスベルク大学における教育学講義の開講とその展開―カントを中心に―」中部教育学会、2001年6月23日、於富山大学
  • 「カント教育学講義の歴史的考察」フォーラム・ドイツの教育、2001年7月21日、 於明治大学
  • 「カントの幼児教育論」教育史学会、2002年10月6日、於中央大学
  • 「カントの大学論」名古屋大学教育史研究会、2003年4月26日、於名古屋大学
  • 「カント『教育学』における私的教育と公共的教育」中部教育学会、2004年6月26日、於三重大学
  • 「カント『教育学』における学校教育論」フォーラム・ドイツの教育、 2004年7月31日、於明治大学
  • 「18世紀ドイツ大学における教育学講義の開設−ケーニヒスベルク大学に注目して−」  教育史学会、2004年10月10日、於法政大学
  • 「18世紀ドイツ教育思想におけるカント『教育学』の位置づけ」日本カント協会、2005年12月3日、於お茶の水女子大学
  • 「ドイツ啓蒙主義と『エミール』熱−ファウスト『衛生問答』に注目して」中部教育学会、2006年6月24日、於愛知県立大学
  • 「カント『教育学』における「世界市民主義的」教育思想」フォーラム・ドイツの教育、2006年7月29日、於明治大学
<ポスター発表>
  • 藤井基貴・生澤繁樹「教職授業の相互的運営・検討システム構築の提案」、大学教育改革フォーラムin東海2007、ポスターセッション、名古屋大学、2007年3月9日
  • 藤井基貴・生澤繁樹・山内保典・田中秀佳「『名大授業開発研究会』活動報告(2007年度)」、大学教育改革フォーラムin東海2008、ポスターセッション、名城大学、2008年3月1日
  • 藤井基貴・生澤繁樹・山内保典・田中秀佳「多人数授業の課題―学生の満足度を高める授業実践とは何か―」、大学教育改革フォーラムin東海2008、ポスターセッション、名城大学、2008年3月1日
<招聘公演・研修活動>
  • 松阪看護専門学校 <教員研修・看護教育の理念> (2005年5月11日)
  • 山田赤十字病院  <臨床指導者研修会・学びについて> (2005年7月16日)
  • 山田赤十字病院  <職員研修・教育とは何か> (2006年6月17日)
  • 岡崎市立看護専門学校 <教員研修・学びの教育理論> (2006年8月7日)
  • 愛知県看護教育研究学会 「学生の学びを引き出すFD活動―授業評価をどう生かすか―」(2007年11月17日)
  • 白川町子育て支援ネットワーク協議会「白川の子育て支援を見直そう」(2008年2月4日)
  • 中京女子大学FD講演会「大学・大学院で取り組むFD活動」(2008年2月20日)
<その他の活動>
  • 岐阜県加茂郡白川町教育委員会(白川子育て支援ネットワーク協議会)アドバイザー(2007年10月〜)
<賞罰>
  • 日本乳幼児教育学会 <研究奨励賞> (2006年11月)