コラム:フィクション「みればわかる?! カリキュラムのグランドデザイン」
今日は某国の著名な大学のVIPが急にご訪問。 どうやら当大学との協定を考えているらしい。 ちょうど教授が出張で不在だったため、若手のA先生と私が引っ張り出されました。 とりあえず、教養教育の説明を終えたのですけれど・・・。 外国人訪問者「質問です。全学教育科目の基礎科目にも文系と理系があって、教養科目にも理系と文系がありますが、これはどういう関係なのですか?」 教師A「むむ。それはBさんからご説明を。」
私「えぇッ!! 私ですかぁ?(汗)えーと、これはその・・・あのですね、文系基礎科目というのは、『人文・社会科学系分野の学問体系を認識するとともに、自主的判断能力を培う科目』、なんですね。それで、理系基礎科目は、『自然科学系分野の学問体系を認識するとともに、自主的判断能力を培う科目』、になっているわけです(汗だく)。 外国人訪問者「どうやら、基礎科目は『学問体系』、教養科目は『総合性』をキーワードにして構成されているようにお見受けしましたが・・・まだピンときませんね。具体的な科目配列を教えていただけますか?」 私「むむむ・・・(冷汗)」 教師A「ふ〜っ、疲れた。慣れない外国語だったし。しかし難しいなぁ、教養教育のカリキュラムを外国人に説明するのって。」 私「なに言ってんですか!! 説明に困ったのは私の方でしょ。でもこれって、外国人だけに限らず、日本人相手でも説明するのは難しいんじゃないですか?」 教師A「だいたい自分自身がよくわかっていないもんね。カリキュラム全体のなかでの自分の授業の位置づけとか深く考えたことなかったしなぁ。これでよく授業がやれてるよ。反省。」 私「そうですね。カリキュラム上の授業の位置を確認すると、授業の学習目標が明確になるし、学生のモチベーションも高まるかもしれませんよね。」 教師A「でも、そもそも、われわれや外国の大学関係者にもすぐには呑みこめないカリキュラムの構造が、大学1年生にわかるのかなぁ。まずは新入生にきちんと理解してもらうように働きかけることが大切だよね。」 |