本号の構成

1. 授業から学ぶ

2. 本から学ぶ

・本との出会いを大切にしよう
・読書人になろう
・チェックリスト

3. 人から学ぶ
4. 学習習慣をつける
コラム
ティップスのリスト



 

2.2 読書人になろう

 せっかく本を買っても読む習慣がついていないと、途中でくじけてしまい、 本棚の肥やしになってしまいます。新入生のうちに、日常生活の中で本を読 む習慣をつけましょう。ここでは、どうやって読書の習慣をつけたらよいか について紹介します。

 そもそも、なぜ本を読むことが大事なのでしょうか。いろいろな理由があります。読書することによって、人類がこれまで蓄積した知的遺産に触れることができます。先人が一生かかって作り上げてきた業績を、短い時間で効率よく学ぶことができます。他者の意見を知ることによって、自分の視野を拡げ、思考力を高めることができます。他者の意見を知り、受け止めることによって、他者を理解する力を養うことができます。このように、読書にはさまざまな効用があります。


ティップス26:カバンの中にいつも本を入れておこう

 本を読む習慣をつけるために、つねに本を通学カバンに入れておきましょ う。ハンドバックのような小さなカバンだけだと、本やノートは十分に入り ません。そうなると、教科書やノートは大学の個人ロッカーに置きっぱなし ということになってしまいます。何はともあれ、本をカバンに入れて携帯す ることが基本なのです。本を携帯することによって、電車の中や喫茶店でも 活字に触れることができます。まずは、「どこでも読める」環境をつくるとこ ろから始めましょう。


ティップス27:読書をする時間帯・場所をつくろう


 あなたはいつもどの時間帯、どの場所で本を読みますか。自分にとってのお約束の読書パターンを作ってみませんか。たとえば、夜寝るときに30分でも枕元で本を開いてみてはどうでしょうか。読書をするということは一人になる時間をつくるということです。授業のみならず、起きている間の人間の生活の大部分(たとえばアルバイトやサークル活動、携帯電話など)は他者との関係によって成り立っていますが、本を読むためには意識的に一人になる時間をつくることが重要なのです。


ティップス28:読書ノートをつけてみよう

 大学生として本を読むということは、書いてある内容を正しいこととして そのまま暗記するのではなく、それを自分なりにどう受け止めるか、「考えな がら読む」ということです。つまり、あなたなりに評価をするということで す。たとえば、「この本は世間で話題になっているわりには、内容はたいした ことない」「誰も注目していない本だが、○○の理由で僕は高く評価する」な ど。「考えながら読む」トレーニングをするには、本を読んだ後に感想・コメ ント・メモを書いてみるとよいでしょう。読書日記としてインターネットの ブログを活用するのもいいでしょう。新聞・雑誌等の書評欄を読むこともお すすめです。


ティップス29:読んだ本について仲間と話し合おう

 本を一人で読む自信がなければ、友人と読書会をつくってみましょう。同 じ本に興味をもちそうな仲間を募り、一緒に読む本を選んでみましょう。一 人で読むのはくじけてしまいそうな本であっても、仲間と一緒だと良いプレ ッシャーになって、最後まで読み通すことができるものです。また、友人の コメントから思わぬ知的刺激を得られるかもしれません。そのことが自分の 視野を拡げるきっかけにもなります。


ティップス30:読書のマナーを知ろう

 読書にも一定の約束事があります。自分が購入した本なら構いませんが、借りた本に書き込みをしたり、折り曲げたりするのはルール違反です。次に使う人が迷惑します。どうしても書き込みたいときはコピーを取りましょう。ただし、著作権法により一人につき一部、しかも一部分だけのコピーしか認められていませんので、注意してください。著作権とは人類の知的成果に対して敬意を払うことでもあります。CDやDVD、コンピュータのソフトウェアのコピーが禁じられているのも同じ理由です。

 また当たり前のことですが、借りた本は返却日までに返しましょう。誰で も借りるときは必要に迫られていますが、返すときはついついルーズになり がちです。図書館の本は公共財(みんなの財産)であり、お互いの良心に基 づいて運営されています。

 

コラム 著作権について 「著作権について」

 

【先輩からのアドバイス】

・新聞や本を読もう。専門の知識だけでなく教養を身につけることが大事。
活字を読む練習にもなる。また、書かれたことを鵜呑みにしないで、考えながら読めばクリティカル・シンキングの練習にもなる。(工)

・本をたくさん読むこと。1冊の中で1つでもいいからキーワードを見つけること。なかなかやろうと思ってもやれない自分がいるなら、本を使って疑似体験すること。そうすれば自分の知識が広がり、考え方も多面的になる。本はむりやり読まなくてもいい。読みたいと思った時にしっかりと読めばいい。読めば読むほど、自分の中にある想いが表現できなかった時、本の中の言葉がヒントを与えてくれるから。(工)

【教員からのアドバイス】


・本を読みっぱなしではなく、自分でノートにまとめ、数理的な専門書なら、途中の式の計算導出をきちんとやりながら読むこと。文系の書物でも、要点をまとめ整理するなどして、自分で体系づけていくことが大事。

・ハウツー本ではなく文学書をたくさん読む。内容を無条件で受け入れるのではなく、現時点の自分のレベルではどう思うかをノートに書いておく。再度読み直したときの感想と比較すると、自分の成長・進歩を実感できます。

・本をいつも持ち歩く。本には金を惜しまない。本には著者の人生が詰まっている。