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はじめに
成長するティップス先生-名古屋大学版ティーチングティップス-(以下ティップス)の目的はとてもシンプル。つまり、われわれ教員が日ごろの教育活動のなかでしばしば出会う困ったこと、悩みの解決のためにちょっとしたヒントをさし上げようということです。とりわけ初めて教壇に立つ教員の方々に有益なアドヴァイスとなることを念頭において制作しましたが、経験豊富な教員にとっても、困ったことが生じたり、立ち止まって自分の授業を振り返り改善しようとするときに役立つものになっているはずです。
ねらい
経験豊かな教員であればあるほど、「授業は一人一人の教員の個性にしたがって行われるべきもので、きまった授業のやり方なんてあるはずがない」とか「授業の進め方を他人に指図されたくない」と思われることでしょう。
その通り。あなたの授業を豊かなものにするまず第一の資産は、あなた自身の個性であり、あなたが実際に教室内外での学生との出会いの中で蓄積してきた経験なのですから。これにとって代わるできあいの「教授法」なんて眉唾ですよね。
でも、次のような場面を想像してみましょう。新学期、おもしろい題材で充実した講義内容をつくって教室に臨んだのに、なんだか授業はうまくいかない。学生の反応は悪いし、ぜんぜんわかってくれていないみたいだ。しだいにイライラが募ってくる…。このようなとき、「やっぱり俺って人格的魅力が無いんだろうか」と悩んだり「だから最近の学生は」と怒ったりしてもはじまりません。「教える」という活動は、自動車の運転や実験と同じように、いくつかのスキルの集まりです。そしてこれは学ぶことと練習を通じて身につけることができるものです。そしてたいていの場合、授業で教員・学生双方が感じるフラストレーションは、こうしたスキルの習得と活用でかなり解消できるはずのものです。
というわけで、このティップスは「授業のマニュアル」でも「教授道の指南書」でもありません。こうしたことをちょっと考慮すれば、あるいはこんなことをちょっと取り入れてみれば、あなたの授業は自分自身にも学生にとってももう少しよいものになりますよ、というヒントの集積だと考えてください。ティップスは、あなたを授業の達人・カリスマ的教師にするわけではありませんが、授業があなたにとって、より満足ができやりがいのある楽しい活動になるための手助けをします。
1.名古屋大学人による名古屋大学人のためのティップス
このティップスは、他大学の教員の方々に有益な情報もたくさん含まれていますが、まず第一に名古屋大学での教育活動というコンテクストを念頭において作られています。名古屋大学での教育に携わってきた教員の方々の経験の蓄積をもとに、名古屋大学での教育活動にすぐに役立つ情報も多数リンクさせた構成になっています。
2.成長するティップス
ティップスの生命は生きのよさです。このティップスには、名古屋大学のみなさんの声を集め、反映するために電子掲示板「みんなの広場」が設置されています。ここに寄せられた、日々試みられているユニークな授業の紹介、新しく出会った問題点、教員が現場で考えた新しいアイディア、ティップス自体に対する批判・改善意見、新しい参考資料などなどを即座にティップスに取り込んでいけるようになっています。いわば、ティップス自体がオープンエンドに成長していく構造になっています。
3.個性的で元気のでるティップス
このティップスでは、教育関係文書にありがちな説教臭さ、辛気臭さをできるかぎり排して、読みやすさと親しみやすさを重視しました。また、名古屋大学のみなさんから寄せられた現状批判や提言、奇想天外なアイディアなどもコラムの形で読み物として提供していけるようになっています。時々、ティップスを訪れて新しいコラムを「誰が何を言っているかな」とチェックするという楽しみ方もできるようにしました。
企画 | 馬越 徹(センター長) |
研究統括 | 池田 輝政(センター教授) |
プロジェクトチーフ | 戸田山和久(センター助教授) |
設計・編集 |
戸田山和久
池田 輝政
近田 政博(センター講師)
中井 俊樹(センター助手) |
チーフライター |
戸田山和久
近田 政博 |
ライター |
池田 輝政
中井 俊樹 |
ウェブ設計 | 中井 俊樹 |
ウェブ制作 |
中井 俊樹
中島 英博(経済学研究科院生)
井手 弘人(教育学研究科院生)
石井 元規(人間情報学研究科院生) |
情報検索 | 横山 佐紀(教育学研究科院生) |
アシスタント |
阿知和めぐみ(センター事務補佐員)
若山のぞみ(センター事務補佐員) |
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