1.5 授業時間外の学習を大事にしよう
大学の授業は教室の中だけで終わりません。大学の授業は、授業時間中の
説明だけではカバーしきれないほど多くの学習内容があるだけでなく、高校
の授業よりも、はるかにレベルが高くなります。超人でもない限り、授業時
間だけですべてを理解することは不可能です。予習・復習は理解度を深めた
り、発展的な学習を行ったりする上で欠かせません。世界のどこの国の主要
大学でも毎回の授業で多くの課題が出されますが、その量は高校までの宿題
よりもはるかに多いのです。
ティップス16:予習・復習をちゃんとやろう
予習課題を地道にこなしましょう。課題に取り組むことで、次回の授業に
出席する意欲が出てきます。課題をサボると、授業もサボりがちになります。
また、締め切りが近くなってから慌てて片づけようとすると学習が雑になり
ます。鉄は熱いうちに打ちましょう。
実験や実習の予習では、まず、作業手順を確認して下さい。実際の様子を
想像しながら、テキストを読んでみましょう。「実験台のうえに何をどう並べ
たら実験が進めやすいか」、「実習中に必要なものをさっと取り出せるように
するにはどうしたらいいか」、など、具体的にイメージするのです。また、「な
ぜテキストにあるような手順になっているのか」、「違う手順や条件で実験し
たらどうなるか」など、いろいろと思いを巡らしてみましょう。実験や実習
の内容が、より深く理解できます。 復習は授業の記憶が残っているうちに、早めに行うのが効果的です。最も
効果的な学習方法は、授業が終わったら、あまり時間が経たないうちに図書
館などの自習スペースを使って課題に取り組むことです。人間の記憶はあっ
という間に薄れていきます。試験の直前にノートを見直すという方法は、実
はあまり効果的ではありません。わからないところはできるだけその日のう
ちにチェックしておきましょう。
ティップス17:自分なりの課題を探そう
自発的に課題を見つけて取り組むと、授業を受けるのか楽しくなります。
たとえば、最初の授業で教員が紹介した参考文献を図書館で調べてみましょ
う。かなりたくさんの本を発見できるはずです。現代の人間社会や科学技術
について、あなたが今受けている授業がどういうメッセージを発信している
かを考えることは、授業に対する関心を高め、あなた自身の学習意欲を高め
ることにもつながります。
教員によっては、インターネット上に自分の授業サイトを開設している場
合があります。授業内容に関連する各種情報や他のサイトが紹介されている
こともありますので、ぜひチェックしてみてください。
ティップス18:上達するには練習問題をこなそう
大学の授業の中でも、特に言語文化科目や基礎科目の授業は、練習問題を
確実にこなすことが大事です。それ以外に近道はありません。スポーツや芸
術の基礎トレーニングと同じで、最初のうちは苦痛を感じるかもしれません
が、根気よく繰り返していくうちに、かならず効果を実感できるでしょう。
練習問題は高校時代のように解説が丁寧に付されているとは限りません。一
人でトライするのがしんどい時は、仲間と助け合いながら取り組みましょう。
「学内の各種コンテストに応募しよう」
【先輩からのアドバイス】
・演習問題をやらずに、ただ例題や公式を読んでいても、テストの時にはまったく問題は解けません。実際に自分で問題をやってこそ公式は頭に入ってくるものだし、同じ系統の問題でもいろんなパターンがあるから、それをすべて例題として取り上げることは不可能なので、演習問題は自分でちゃんとやるべきだと思う。(工)
・大学の授業は週1回がほとんどなので、1回90 分×15 回分で教科書を全部理解することは不可能です。復習を早めにするといいと思う。(工)
・高校までの勉強は、席について先生の話を黙々と聴き、せっせとノートをとることでなんとかなってきたし、それで必要な情報はたいがい入手できた。しかし大学の講義はそうではない。多人数の学生を相手にする講義では、こちらの理解を待たずに先生は先に進んでしまうし、講義を聴いただけではわからないことも多い。そんなとき、友だちに聞く、教授に聞く、図書館で調べる、インターネットを活用するなど、体を動かして能動的に、主体的に情報収集することが必要だ。そういった学習方法や学習姿勢は社会人になってからも役立つだろう。(農)
【教員からのアドバイス】
・大学に自分の居場所を作ろう。図書館、学部図書館、ラウンジコーナー、喫茶室、生協食堂など、どこでもいい。そして図書館なら「いつものイス」を決めてしまおう。他の人が使用しているときがあれば、その日はその周辺でがまんすればいい。とにかく、そこで一人になるのもよし、友だちと何かやるのもよし、自分にとって居心地のいい場所を見つけるといいと思う。
・数学の場合、教科書が指定されていれば、必ずそれを通読してみる。ただし、目で文字を追うだけではなく、必ず要点のメモをとりながら読む。また、書かれていることを鵜呑みにしないで、なぜそうなるかを常に意識しながら読む。紙面の関係で省略されている部分を自分で補ってみる。計算や証明などの導出が書かれている場合は、自分で実際に手を動かして導出してみる。数学は意外と体で覚える部分がある。
・語学の勉強などは、毎朝決まった時間にやるとよい。 ・高校の数学の教科書は読めばすぐわかったのに、大学の教科書は読んでもわからない、という人に!
>読んだだけでわかる人はよほど優れた人です。ちなみに私は、鉛筆を持って式を追ったり計算をしないと頭の中に具体的イメージができません。講義の途中で教員が演習問題を出しても、ノートも筆記用具も使わない人はいつまでたっても理解への突破口はないと思います。講義を聴いてもわからないから期末試験前にやろうとあきらめる癖がつくと危険信号です。
みなさん、それはわかっているんでしょうけどね!
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