Teaching Tips at Nagoya


授業日誌
開講が気になりはじめた
授業が始まった
試行錯誤の毎日
ゴールが見えてきた
5 months to the first class

11月3日 コース・デザインに悩むの巻


 ぼくの担当する科目はだいたい200人くらいの学生が集まる論理学の講義と、20人前後の学生向けの基礎セミナーだ。まず、論理学講義のプランから考えることにしよう。最近、自分のやってきた論理学の授業を振り返ってこれでよかったのかなあと思う。赴任してきてはじめての頃は、工学部・理学部向けに通年でやっていた。このときは、どちらの学部の学生にとっても、論理学はそのあともずっと必要だし、実際に使うことになるからと思って、実際に証明や推論の正しさのチェックができるようになることを目指して、数学の授業と同じような感じでテクニック中心に教えてきた。けれども、数年前からは、論理学は文学部・法学部生対象の半期の授業になった。これが悩みの種なんだよなあ。今年度までは、なんとなく理学部・工学部向けに作った講義内容をダイジェストして教えてきたけれど、よく考えれば文学部、法学部の学生は、その後の勉強で論理学の細かなテクニックを実際に使うことってないもんなあ。それに、おそらくこの授業は彼らが科目として論理学を教わる最初で最後だと思うわけだ。だったら、その学生に何を伝えるべきか。細かな証明テクニックじゃないよな。絶対に。よし、もう一回最初から考えてみよう。


*1 こんなに担当科目の少ない大学教員は現代日本にはいません。この日記はあくまでもフィクションです。