あとがき

このハンドブックは、高等教育研究センターが名古屋大学の教員有志による留学生研究会を立ち上げ、この研究会で議論を重ねながら制作したものです。印刷にあたっては、平成22年度国際化拠点整備事業(グローバル30)の予算措置を受けました。

日本の大学では留学生に対する支援はさまざまな形で進められており、留学生の異文化適応に関する研究もさかんに行われています。しかし、留学生の受け入れ責任者であり、彼らに対して授業や研究指導を行う大学教員に対する支援には、残念ながらこれまであまり注意が払われてきませんでした。留学生を受け入れた経験のない教員や教育経験の浅い若手教員にとって、指導教員として留学生を受け入れることは心理的・時間的に大きなプレッシャーとなります。同時に、留学とくに大学院留学においては指導教員との信頼関係がその成功の鍵を握るといっても過言ではありません。大学は留学生を受け入れている教員をもっと積極的かつ組織的にサポートしなければなりません。本ハンドブックが名古屋大学教員のみなさまにとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

このハンドブックを制作するにあたり、多くの方々にお世話になりました。2010年8月に実施したアンケート調査では、夏休み期間中にもかかわらず多くの本学教員が快く協力してくださり、留学生の受け入れに関して本学にどのような具体的課題が存在するのかを知ることができました。また、国際学生交流課、国際企画課、文系教務課の職員の方々からは、留学生に関する受け入れ実務、各種データ等についていろいろ情報提供いただきました。何人かの学内教員有志や高等教育研究センターのスタッフからは、本ハンドブックのドラフト段階で貴重なコメントをいただきました。記して御礼申し上げます。

本ハンドブックの内容に関する責任は編者にあります。修正・追加すべき点がありましたら、編者の所属先である高等教育研究センターまでご一報いただければ幸いです。みなさまのご意見を反映させて、継続的に改訂を進めていきたいと考えております。

編者 近田 政博
高等教育研究センター准教授
連絡先:info@cshe.nagoya-u.ac.jp