科学を発信する
本を書く
まとまったある程度詳細な内容を広範囲の一般読者に伝えようとすれば、書籍はとても有効な媒体です。
1 そもそも私は本を書くべきか?
書籍の執筆には膨大な時間がかかります。次のことを検討しておきましょう。
- 執筆前に検討しておくべきこと
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- 自分は科学の何をどのような人々に伝えたいのか
- 伝えてどうしたいのか(科学のおもしろさを理解してもらいたいのか、警告したいのか)
- 自分がターゲットにしようとしている人たちは、何を知っているのか、何を求めているのか
- 自分が書こうとしている話題が、本という形式で伝えるのに適しているか
- 他に同じような本がすでにあるか
- あなたの書こうとしている本は既存のものとどう異なるのか
- 半年から1年という執筆の時間をとれるか
- タイムリーに出版できるか
2 企画書を書く
編集者は企画を編集会議にかけて了承を得なければなりません。説得力のある企画書をA4用紙数枚で作成する必要があります。
- 出版企画書に盛り込む情報
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- あなたの履歴、専門分野、過去の出版物のリスト(抄)、連絡先
- 仮タイトル
- 本の概要300字程度
- 本の構成案(全体の分量、章のタイトル、各章の内容の概要100字程度)
- 本の位置づけと意義(想定する読者、類書にはない特色、なぜこれを出版する必要があるのか)
- 見本の章
- 原稿の完成予定期日
興味を示してくれる編集者が現れたらしめたものです。あとは編集者と相談しながら、企画を詰めていきます。
3 原稿執筆時に気をつけるべきこと
編集者とは、本という作品をつくりあげる共同作業をしているのだ、と考えてください。
商業出版の場合、原稿のフォントやレイアウトにこる必要はまったくありませんが、組版の指示が書き込みやすいように余白や行間を十分にとっておきましょう。
4 原稿を書き終えたら
- 少し長めに書いて、無駄な表現をどんどん削っていく
- 家族、友人、学生などに一読してもらい、コメントをもらって訂正する
- 参考 書評
- 書評はあなたの考えを開陳するものではなく、まして感想文ではありません。読者に本の内容と位置づけと価値についての情報を提供するための、専門家としてのサービスなのです。
- 書評に盛りこみたい情報
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- その本は何を目指して書かれたのか
- その本の内容の要約
- 著者はその目的をうまく果たせたか(その本のすぐれた点、独自性、特色、足りない点があるとしたらどこか)
- その本の位置づけ(著者のこれまでの仕事のなかで、その学問分野で、現代社会で、出版界で、など)