科学を発信する

ウェブサイトをつくる

ウェブサイトには、不特定多数の人に科学情報を発信できるという強みがあります。ここではウェブサイトを市民一般との科学コミュニケーションの手段として利用するケースを念頭に置いて、いくつかのティップスを紹介します。

1 どんな内容を盛り込むか

トップページ

トップページには、あなたの短い経歴、写真、研究テーマ、過去および現在のプロジェクトの概要、研究室のかかわるイベントの告知などをまず掲載します。

トップページに必ず入れたい情報
  • メディア向け情報(プレスリリースをダウンロードできるようにしておく)
  • 連絡先と連絡方法(住所、電話番号、ファックス番号、電子メールアドレス<スパム対策を施す>)
その他のページ

利用者がサイトを再び訪れようと思えるような、役に立つ素材やお楽しみのパートをつくりましょう。写真や図を配して、見た目も楽しいものにしましょう。

コンテンツの例
  • 代表的な論文、書評、エッセイ、レビュー、雑誌記事
  • 最近のニュース(受賞、出版など)
  • 今後の活動予定
  • 一般向け講演の要旨
  • ビデオメッセージ
  • コラムや研究室生活の逸話
  • 教師のためのリソース(教材、参考文献案内、リンク集)
  • 印刷物のpdfファイル

2 サイトの構造を設計する

いちど作ったサイトの基本的な構造を後から訂正するのには、たいへんな手間と費用がかかります。設計段階で、基本構造をよく練りましょう。

サイト設計にあたって考慮したいこと
  • サイトをつくる目的と読者対象を明確にする
  • 頻繁にアップデートする部分、固定しておく部分、将来的にコンテンツが増えそうな部分などを切り分ける
  • 誰が、何を、いつ、どれくらい頻繁に更新するかを考えておく
  • 個々のページが独立しており、予備知識や背景紹介なしに読めるようにする
  • 一枚のページはプリントアウトしたときに2枚程度に収める
  • 各ページに小さな文字で、ページタイトル、著者名、執筆年月日、キーワード、URLアドレスなどの情報を表示する
  • トップページはすべての人を対象にした内容とし、ページの階層が深くなるほど読者層が限定された内容にする
  • 3クリックで目的のページにたどりつけるような階層構成にする
  • デザインに凝りたいときはプロに任せる
  • 研究室のポスターやブローシュアなどとのデザインの統一を図る

3 さまざまな人がアクセスしてくるということを考慮する

できるかぎり多くの人にアクセス可能なサイトを目指しましょう。

確認しておきたいアクセシビリティ
  • OSやブラウザによらず同じように表示されるかを確認する
  • ウェブにあまり詳しくない人に、うまく目的の情報にたどりつけるかを試してもらう
  • 適切なフォントや色を選択する
  • ボタンなどの大きさや操作性を工夫する
  • ウェブ特有の言い回しを避ける
  • 画像やダウンロードできるファイルの容量を抑える
  • アニメーションや音声の表示・再生に必要なプラグインをダウンロードできるサイトへのリンクを貼る
  • 文章の内容は、アニメーションや音声を読者がとばしても理解できるようにしておく

4 つくりっぱなしにならないように

宣伝と更新をまめにしましょう。

サイトを活性化する
  • 2ヶ月に一度はアップデートし、古いデータは削除してアーカイブ化する
  • 積極的に他のサイトにリンクしてもらう
  • 印刷物、名刺などにURLアドレスを必ず印刷して、こまめな広報活動に努める
【コラム】
市民と大学教授をむすぶ「Science-Citoyen」