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名古屋大学高等教育研究センター第223回招聘セミナー・組織的な教学マネジメントの推進セミナー

少子化時代の私立大学経営を補助金政策から読み解く

開催日
2025.12.05(金) 15:00-17:00 少子化時代の私立大学経営を補助金政策から読み解く オンライン
定員:300名
開催レポート
登壇者 松宮 慎治 氏(信州大学学術研究院総合人間科学系 講師)
応募締め切り 2025.12.02(火) 23:59

少子化時代の経営において、各私立大学は、矢継ぎ早に繰り出される政府の各種補助金政策とどのように付き合っていけばよいのでしょうか。本報告では、そのあり方を議論するためのきっかけとして、(1)「選択と集中」を旗幟とする現在の政策が始まったプロセス、(2)定員管理厳格化政策の効果、(3)私立大学等改革総合支援事業のこれまで、の3つについて、計量分析を交えつつ報告したいと考えます。 

 

本セミナーは Zoom によるオンライン開催です。

オンライン参加の要件等

・マイクが利用可能で、高速なインターネットに接続されたPC等が用意できること。

・発言等ができる静穏な環境で参加できること。

以上をご確認のうえ、お一人様1アカウントにてお申し込みください。

  

対象者

大学教職員、学生、大学関係者

 

参加方法

※お問合せ多数につき、定員を増枠(100名→300名)のうえ、再募集いたします。奮ってお申込みください。

参加申込された方にセミナー開催前日までにお知らせします

 

主催

名古屋大学高等教育研究センター[質保証を担う中核教職員能力開発拠点] 

 

諸連絡

いただいた個人情報は、本企画運営の目的にのみ使用いたします

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開催レポート

主な報告内容  

(1) 「選択と集中」を旗幟とする現在の政策が始まったプロセス 

(2) 定員管理厳格化政策の効果 

(3) 私立大学等改革総合支援事業のこれまで 

 

本セミナーでは、松宮慎治氏による「少子化時代の私立大学経営を補助金政策から読み解く」をテーマに、計量分析を通じて補助金政策という観点から講演および質疑応答を行った。  

現在の「選択と集中」を旗幟とする補助金政策の源流は、2011年に立ち上がった大学改革タスクフォースを起点とし、国家戦略会議が補助金に対して「メリハリ」のある改革を強く要求する一方、文科省側は事実認識の誤りを指摘しつつ、最終的には私学の質的充実に向けた支援のための「メリハリのある配分」という考え方が提示された。この経緯を経て、2012年6月に公表された『大学改革実行プラン』により、「選択と集中」「メリハリある配分」の政策方針は、個々の大学の建学の精神や大学の役割に基づく特色ある教育研究の保証と向上のために為されるものであるとされた。  

次に、3大都市圏への進学抑制と人口集中回避を目的として、2016年度から実施された「定員管理厳格化政策」の効果について、入学定員充足率の経年推移を、3大都市圏から抽出された2つのグループと非3大都市圏から抽出された4つのグループの傾向を、政策影響の強い都市圏の大学からの距離という観点から分析した。その結果、政策によって都市圏の低偏差値・小規模大学が救済された可能性がある一方、定員抑制で生じた超過需要は、非3大都市圏の中でも3大都市圏に近い大学に多くもたらされた可能性があること、さらに3大都市圏の辺地に所在する大学ほど入学定員充足率が一貫して下がり続ける傾向が窺えた。  

また、2013年から開始された「私立大学等改革総合支援事業」については、異なる大学が異なる事業タイプに選定されることで占有度は緩和されており、制度設計は比較的うまくいっていると評価された。しかし、「タイプ1」に限定し、因果推論を適用して教育研究経費への効果を検証したところ、選定されたことによる実質的な効果はあるとはいえないことが示唆された。この結果は、「選定」までの制度設計は機能しても、その後の大学の実質的なアウトカムへの接続段階で脱連結が生じている可能性を示唆している。  

まとめとして、定員管理に対する政策は未だ有効な誘導機能を有しているが、都道府県単位の分析から離れるとその限界が明らかになること,今後は人流データなどを活用し、「通学圏」等の要因も含めて検討していく必要があること,また、日本の大学の少子化問題の本質についても、国外の状況を比較すると「緩やかな少子化」という状況が見えることから、大学における少子化問題や少子化対策の議論においても、何らかのリフレーミングが必要ではないかと問題を提起して、セミナーは結ばれた。