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名古屋大学高等教育研究センター第210回招聘セミナー

大学設置基準改正をどのように捉え、活かすか-教職協働によるSDの可能性-

開催日
2023.11.02(木) 15:00-17:00 大学設置基準改正をどのように捉え、活かすか-教職協働によるSDの可能性- オンライン
定員:500名
開催レポート
開催場所 オンライン(zoom)
登壇者 宮林 常崇 氏(東京都立大学 理系管理課長〔学務課長兼務〕/公立大学協会 事務局参与)
応募締め切り 2023.10.30(月) 23:55

名古屋大学高等教育研究センター教務系SD研究会では、昨年10月の大学設置基準改正を大学の現場でどのように捉えているかを調査するため、全国8か所で4か月にわたり大規模なヒアリングを実施した。具体的には、①制度改正を理解するための研修会、②改正事項を自大学に落とし込むためのワークショップ、③ヒアリング(アンケート調査)を組み合わせたもので、これを単独大学の教職員合同や、複数大学の職員のみといったいくつかのパターンで実施した。その結果、本改正を理解するために前提となる知識・理解が不足している事項や教育改善に活かすための様々な障壁などが明らかになった。また、教職員の協働でSDを実施することによる効果も見えてきた。 

このセミナーでは、本改正がそれぞれの現場でどのように捉えられているか、教育改善に活かすためにはどのような方法が考えられるかを報告するとともに、教職協働のSDの可能性について参加者と議論したい。

 

本セミナーは Zoom によるオンライン開催です。

オンライン参加にあたり、

・マイクが利用可能で、高速なインターネットに接続されたPC等が用意できること

・発言等ができる静穏な環境で参加できること

以上をご確認のうえ、お一人様1アカウントにてお申し込みください。

アーカイブ配信は予定しておりません。

 

使用言語: 日本語  

参加方法: 参加お申し込みされた方に後日お知らせします。

 

主催: 名古屋大学高等教育研究センター[質保証を担う中核教職員能力開発拠点]  

 

※お申し込み時にいただいた個人情報は、本企画運営の目的のみに使用いたします。 

 

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開催レポート

 
令和4(2022)年10月1日に施行された大学設置基準等改正により、単位の計算方法をはじめ多くの教務事項について大学の裁量が拡大しました。一方で、学内規程の整備や更なる情報公開も必要になりました。そして、これらの対応方法については、各大学がそれぞれの実情を踏まえて主体的に判断することが求められています。 
 
教務事務にかかるさまざまな研修を提供してきた名古屋大学高等教育研究センター教務系SD研究会としては、この改正にいち早くキャッチアップする必要がありましたし、そのためには各大学の実情を踏まえることが重要でした。そこで、この改正を大学の現場でどのように捉えているか、教育改善に活かすためにはどのような方法が考えられるかを調査するため、コロナ禍の収束が見えつつあった昨冬以降に全国各地を巡り、大規模なヒアリングを実施しました。具体的には、①制度改正を理解するための研修会、②改正事項を自大学に落とし込むためのワークショップ、③ヒアリング(アンケート調査)を組み合わせたもので、これを単独大学の教職員合同や、複数大学の職員のみといったいくつかのパターンで実施しました。参加者には情報秘匿を、本研究会が利用する際には情報を一般化することを、約束事項としました。 
 
このヒアリングを経て、法令や制度改革を理解し実務に活かすためには、単に知識を学ぶことにとどまらず、組織内の情報共有・共通認識や組織内での議論が必要であることが明らかになりました。また、その際の障壁としては、日常のコミュニケーション不足が多く指摘されました。言い換えると、現場の課題は、学外でのSDや既存のSDを充実させること以上に、学内の「場づくり」と、目の前のマネジメントであることになります。また、本改正の対応には教職協働が必要な場面が多くあるなか、SDそのものも教職協働とすることが有効であることも見えてきました。たとえば、3つのポリシー(AP、CP、DP)・カリキュラム・授業の関係や、授業外学修時間の実質化、成績評価、TAを含めた教育の質向上に資する教員ニーズなどについて、ともに考えることです。 
 
政策を自大学の文脈に落とし込むことについて他者に任せるのか、教職員が力を合わせ、自分たちで意味づけし社会へ説明するのか。はたまた、解釈のギリギリセーフを狙うのか、裁量を生かして新しい教育を狙うのか。本改正は、「ゲームチェンジャー」が誕生するまたとない機会として、活用できるように思われます。