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名古屋大学高等教育研究センター第211回招聘セミナー・第5回学生支援担当者講習会

障害のある学生の大学移行を考える-高大接続と大1ギャップの支援-

開催日
2024.01.31(水) 13:00-15:00 障害のある学生の大学移行を考える-高大接続と大1ギャップの支援- オンライン
定員:100名
開催レポート
開催場所 オンライン(zoomウェビナー)
登壇者 工藤 晋平 氏(名古屋大学学生支援本部アビリティ支援センター 准教授)
応募締め切り 2024.01.28(日) 23:59

大学は高校までとは教育・学修の体制・環境が大きく異なります。それは障害のある学生にとって入学直後から大きな障壁となって、「大1ギャップ」が生まれるかもしれません。学生支援、合理的配慮、発達障害のある学生の父母の会などの経験を通して、入学直後の諸手続き、履修環境の変化への適応、支援の利用などにどのような困難が見出されるかをお話し、合わせてこの観点から、望まれる高大接続について考えたく思います。

 

本セミナーはZoomによるオンライン開催です。

オンラインの参加の要件等

・マイクが利用可能で、高速インターネットに接続されたPCが用意できること。

・発言等ができる静穏な環境で参加できること。

以上をご確認のうえ、お一人様1アカウントにてお申し込みください。

 

参加方法

参加申し込みされた方にセミナー開催前日までにお知らせします。

主催

名古屋大学高等教育研究センター[質保証を担う中核教職員能力開発拠点]

共催

名古屋大学学生支援本部

諸連絡

  いただいた個人情報は、本企画運営の目的のみに使用いたします。

 

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開催レポート

 発達障害の学生を中心に、大学に入学することで直面する困難、高校と大学のギャップ(大1ギャップ)に関して、最近考えていること、および今後の課題について講演を行った。初めに、そのような問題意識を持つに至った学生との経験について報告し、ついで、障害(disability)が固定されたものではなく、個人と環境の相互作用の中で生じる状態として考えられることを押さえた上で、高校と大学とではこの環境が異なるために、異なる障壁を前にした異なる障害像が生まれることを取り上げた。 

 高校生活では、「教室」を中心として情報が集まり、同級生からの助けが得られ、担任という窓口にもアクセスができる。学習は教科書に沿ってほぼ一本道で進み、問題集で理解を深められる。こうした環境が大学では失われることに注目し、足下が不安定なまま入学に際して多くの資料を読み、履修の仕組みを理解し、履修登録を行い、さらにネットワークや学生ポータルの接続、そのためのパソコンやスマホの2段階認証アプリの設定、生協や保険の加入、英語の試験、クラスの集まりをこなすことを取り上げた。 

 その結果、情報の取りこぼし、理解不足による履修計画のつまずき、必要な手続きの失敗、混乱や挫折といったことが大学入学直後から始まってしまう。「教室」機能をどのように設定するか、高校から大学という構造の異なる環境への移行をどのように支えるか、といった点から対策を検討し、履修相談会による入り口の支援、ウェブサイト等での情報発信、初期のタスクフローの視覚化、入学前の大学生活体験といった試みが求められることを挙げた。また、高校までの支援計画等の共有の他に、高校までに自分で枠組みを作る練習やメール連絡の練習があると良いこと、大学ではゆっくりとしたスタートが求められることも議論した。