名古屋大学高等教育研究センター 第214回招聘セミナー・大学IR×DX研究会 第3回セミナー
卒業時の学習成果をどのように評価するか-効果的な実践を⽬指して-
開催日 |
2024.02.22(木) 15:00-17:00
卒業時の学習成果をどのように評価するか-効果的な実践を⽬指して-
オンライン
定員:500名
開催レポート
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開催場所 | オンライン(zoom) |
登壇者 |
竹中 喜一 氏(近畿大学 IR・教育支援センター 准教授) |
応募締め切り | 2024.02.19(月) 23:59 |
課程を通じた学⽣の学習成果の把握にあたり、各⼤学はさまざまな調査・測定を⾏っていますが、それらの効果的な実践に向けて課題をもつ⼤学も少なくありません。本セミナーでは、そうした課題解決のヒントの提⽰を⽬的として、ディプロマ・ポリシーの到達度、卒業論⽂や卒業研究の評価⽅法を中⼼に、現在の動向と具体例を説明します。講演者が実践する「卒業論⽂ルーブリック」作成⽀援事例や、⽵中喜⼀編(2023)『シリーズ⼤学教育の質保証2学習成果の評価』の内容等を取り扱います。
本セミナーはZoomによるオンライン開催です。
オンラインの参加の要件等
・マイクが利用可能で、高速インターネットに接続されたPCが用意できること。
・発言等ができる静穏な環境で参加できること。
以上をご確認のうえ、お一人様1アカウントにてお申し込みください。
※フォームにフォームに必要事項を入力し、回答を確認・送信してください。
回答が完了すると、入力したメールアドレスに登録内容が自動返信されます。迷惑メールに振り分けられることがありますので、ご確認ください。
※申込多数につき、定員を増枠(100名→500名)いたします。奮ってお申込みください。
参加方法
参加申し込みされた方にセミナー開催前日までにお知らせします。
主催
名古屋大学高等教育研究センター[質保証を担う中核教職員能力開発拠点]
共催
東海国⽴⼤学機構 アカデミック・セントラル インストラクショナルデザインチーム
諸連絡
いただいた個人情報は、本企画運営の目的のみに使用いたします。
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開催レポート
卒業時の学習成果を評価する趣旨は、カリキュラムを実施した総合的な結果として、学生が何をどれだけできるようになったのかを把握し、改善と説明責任の遂行につなげるところにある。
学習成果を評価する方法は直接評価と間接評価に大別されるが、双方の方法は相補的な関係にあるため、基本的には双方の方法を組み合わせて評価する。直接評価の方法には、卒業試験、卒業論文等がある。卒業論文等により総合的な能力を評価する際に、ルーブリックを用いる大学がある。ルーブリックは教員による評価だけでなく学生の自己評価ツールとしても活用できるが、運用にあたってはさまざまな課題に直面する。基本的な課題解決の方向性は、ルーブリックを活用する関係者間のキャリブレーションである。試行運用や解釈の共有を繰り返しながら、実情にある程度合ったルーブリックに練り上げていく。
また、近年ディプロマ・ポリシー(DP)の到達度を評価する方法論も検討されている。従来主流であったのは、卒業時のアンケートでDPの達成度を学生に自己評価してもらう方法である。より詳細に尋ねるのであれば、学生に対するインタビューも有効であろう。最近は授業科目の成績評価とDPの達成度を関連づけ、その結果を学修ポートフォリオに可視化する大学もある。この方法を実施するには、DPを細分化した上で、各授業科目の到達目標とDPを紐づけることが前提となる。
ところで、学習成果の評価を効果的に実践するためには、評価結果をもって教職員が改善を検討するだけでなく、学生に評価結果をフィードバックするアプローチも検討すべきであろう。学習の振り返りや目標設定といった活動につなげることは、学習成果の向上にもつながる。また、予めアセスメントプランで評価結果の活用方法を定めたり、他大学の分析の切り口を参照したりすることも、効果的な実践につながるかもしれない。
いずれにしても、学習成果の評価が改善に結びつくには、改善にかかる利害関係者に評価結果を共有し、その結果に基づく対話の場が必要となる。個々の授業科目の改善、カリキュラム全体の見直し、学習支援の充実など、改善のアプローチはさまざまで唯一解はないので、その都度最適解を関係者間の対話を通じて決めていくことになる。評価結果を共有し対話する場づくりをどのように行うかも、学習成果の評価が効果的な実践につながるポイントになるだろう。