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名古屋大学高等教育研究センター第217回招聘セミナー・第7回学生支援担当者講習会

ソウル大学の学生寮教育の現状-Living & Learning (LnL) Residential Collegeの経験から-

開催日
2024.09.06(金) 14:00-16:00 Issues of Residential Education at the Seoul National University: Overview of Living & Learning (LnL) Residential College at Seoul National University オンライン
定員:100名
開催レポート
登壇者 Jong Kwon Choe 氏(ソウル大学建設環境工学部 准教授/Living & Learning (LnL) 運営団長 (Head of the Administrative Affairs of SNU LnL Residential College))
応募締め切り 2024.09.03(火) 23:59

講演概要 ※講演は英語で行います(Zoom翻訳機能をご利用になれます)。なお、質疑応答は日本語でも対応します。

ソウル大学は2023年より、Living & Learning(LnL)Residential College(以下、LnL RC)と呼ばれる学生寮を通じた教育を試験的に実施しています。LnL RCでは、主に学部1年生を対象に、共同生活を送りながら様々なカリキュラムや課外活動に参加する機会を提供することによって、コミュニティへの参加意識と異なる文化や考え方を尊重する意識を育むことを目的としています。

今回LnL RC運営団長のChoe教授をお招きし、韓国でも有数のソウル大学がなぜLnL RCを導入するに至ったのか、その背景・経緯、従来の学生寮と異なるLnL RCの特徴、2年間の活動内容、現状の課題についてご紹介いただき、フロアを交えて今後の展望等について意見交換していきたいと思います。

本セミナーは科学研究費補助金23K02524、ならびに20K02615の協力により開催します。

 

  

Seoul National University launched a pilot Residential College program called Living & Learning (LnL) in 2023. LnL primarily targets first-year undergraduate students, providing them with opportunities to live together and engage in a variety of curricular and extracurricular activities designed to foster a sense of community engagement and respect for different cultures and perspectives. This presentation will provide an overview of LnL Residential College program at Seoul National University based on its first two years of operation. It will cover the history and background of LnL concept, including its development as a part of the Seoul National University’s long-term strategic plan. Additionally, the brief overview of conventional student dormitories at Seoul National University will be provided as a basis of comparison. The presentation will also address the organizational hierarchy and house structures of LnL, including the characteristics and differences between the two houses (Building 906 and Building 919D) currently operated in 2024. The detailed curricular and extracurricular programs developed over the past two years will also be discussed as well as the current challenges and future plans of LnL. 

 

プログラム

 趣旨説明・韓国の大学の学生寮の現状について(日暮 トモ子 氏 日本大学文理学部 教授)

 講演(Jong Kwon Choe 氏 ソウル大学建設環境工学部 准教授/LnL運営団長)

 質疑応答

 

 

本セミナーは Zoom によるオンライン開催です。

オンライン参加の要件等

・マイクが利用可能で、高速なインターネットに接続されたPC等が用意できること。

・発言等ができる静穏な環境で参加できること。

以上をご確認のうえ、お一人様1アカウントにてお申し込みください。

 

 

参加方法

参加申込された方にセミナー開催前日までにお知らせします。

 

対象者

大学教職員、学生、その他大学関係者

 

使用言語

英語、日本語

 

主催

名古屋大学高等教育研究センター[質保証を担う中核教職員能力開発拠点]

 

諸連絡

いただいた個人情報は、本企画運営の目的にのみ使用いたします

 

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開催レポート

 ソウル大学は2023年から「Living & Learning(LnL)」という名称で、学部1年生が寮で共に生活し、教科および課外活動に参加する寄宿型大学(Residential College。学寮カレッジ)を試験的に運営している。本事業は、ソウル大学のビジョンの一つである「共同体意識とグローバルな能力を備えたリーダーの育成」を達成するための、ソウル大学の長期戦略計画の一環として始まった。学生たちが共に生活し学習する中で調和の価値を尊重し、共同体(コミュニティ)への参加と多様な文化や思考への尊重を促進することを目指している。LnL内では、各学部の学生数比率、男女比率、首都圏および地方出身の比率にあわせて多様な学生が参加できるように構成されている。 

 LnLは2024年現在410人の学部1年生が参加しており、各階ごとにセミナールーム、ラウンジなどの共有スペースが配置されている906棟と、アパート式でリビング構造の共有スペースを6人のルームメイトが共有する919棟がある。各棟には、マスター教授、専任講師、大学院生で構成されるプロクター(proctor)、高学年の学部生で構成されるメンター(mentor)が、1年生の教科および課外活動をサポートし、共同生活での密接なメンタリングを行っている。

 新入生は、1学期には共同体に関連する講義と討論を中心とした「冠岳モドゥム講座(관악모둠강좌)」を履修し、2学期には、学生自身がチームを組んで、関心のある学術的テーマについて自主的にシラバスを作成し、学びを深める「学生自主セミナー」を履修する。課外活動としては、プロクターやメンター、または新入生が企画して運営するさまざまなテーマの課外プログラムや、同じ階や部屋の学生同士で親睦を深めたり野外活動を行うグループ活動がある。 

 これらの活動を通じて、LnLに参加した1年生は、同じ学部の学生や主に交流する他の1年生(LnL非参加学生)と比較して、多様な背景を持つ学生との親交が生まれ、また、複数専攻や副専攻への関心が高まるなどの変化が見られた。今後、LnLを持続的に拡大していくためには、教科及び課外活動の充実化とプロクターおよびメンターのトレーニングプログラムの発展が必要であり、またインフラ面でも、全学生を収容できる寮の増築や再建が求められる。このような課題を克服しながら、今後LnLがソウル大学を代表する寄宿型大学として発展し続けるよう尽力していきたい。