連休前でぼくも学生もうわついている。おまけに、この季節にしては妙に蒸し暑かったせいか、今日の授業は睡眠者続出だった。かなり複雑な定理を証明するのが今日の目標だった。証明をするというのはどうしても授業が平板になりがちだ。ずっと黒板を向いて式を書くことになっちゃう。われながら証明じたいはずいぶんと配慮の行き届いたものだったと思う。論理的な構造もわかりやすいし、見通しもよかったはずだ。でも、補助定理の証明まで終わって振り返ってみたら、後ろの席のほうから睡魔に屈服した学生が続々と机に突っ伏していくところだった。
これにはちょっとショック。学生時代にはぼくもよく寝たよ。でも、学生の居眠りが、教える側に立つとこんなに不愉快で動揺させるものだとは思わなかった。もうちょっと事前に準備して起伏のある授業にしておけばよかった。しゃべり方も気をつけたほうがよかったかもしれない。暑くてぼーっとしていると、どうしても一本調子になるもんなあ。